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2026.07.07

【磯部正文】1996~97年 海外バンドとのツアーなど編

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1997年の7月は宮崎駿監督の「もののけ姫」が劇場公開され、TVドラマは「踊る大捜査線」、「ひとつ屋根の下2」、「失楽園」などが放映されていた。

そういえば、時系列を覚えてなかったのですが、ググってみて再確認。
「GRIP」のレコーディングを終えて12月のリリースを控えた1996年11月に、BAD RELIGIONのThe Gray Race tourという日本でのツアーの赤坂Blitzの公演に、なんとフロントアクトで誘っていただいた。もちろん出演させていただいたし、貴重な経験になった。
上京前の広島(1990年頃)で聴き始めて、USコア(というジャンルに括られていた)の、このバンドめちゃかっこええわあ、って言ってたバンドのフロントアクトが出来る日が来るなんて、ほんとに夢みたいだった。

あと、この時のフロントアクトが決まってからの裏話がありまして、書かなくてもいいか、とも思えたのですが、昔々のことだし、みんな若かったから&そんなこともあったってことで、書き記そう。
BAD RELIGIONのフロントアクトが決まって、僕は日々意気揚々としていた。そのライブが迫ってきたある日、いつものようにGIG-ANTICのスタジオにリハに行くと、テッキンが手首に包帯を巻いた状態で入ってきた。どうしたの?と聞く前からテッキンが喋り始めて、「いやー、BAD RELIGIONとやるって決まって気合い入れて練習してたら、やりすぎて腱鞘炎になっちゃったよー。だからごめん、出れないわー。」
「はー!!??ふざけんなよー。出れないわー?何でお前が決めてんだよ。何が何でも弾けよー。しかもBAD RELIGIONとやるって思ったら練習し過ぎただー?じゃあ今まではどんな気持ちでどんな練習してたんだよ!」
結局ライブは出演出来ましたけど、未だにあの時の、「出れないわー。」の声のトーンは忘れない。若かったので激怒に近いテンションで叱りましたけど、今、同じようなことがあっても、やはり適度なテンションで叱ると思います。

そしてその後、アメリカのシアトルのポップパンクバンド、SickoのJAPAN TOURにSPROKET WHEELと共に帯同。Sickoはメンバーみんなパワフルで元気で、移動中の車でもずっと大声で歌っていた思い出。特にメインボーカルのEanは。
大阪、名古屋、東京は下北沢シェルターで2Days。僕らの曲の ”Only Way”や ”Share The Joy Of Our Tour” をすごく好きな曲だと言ってくれていた。アメリカに帰ったら次のアルバムの制作に入るんだけど、お前らの曲どれか選んでカバーしていいか?って言ってくれていた。もう僕らは、もちろんどうぞどうぞ、と返事。
そして翌年97年にSickoの4thアルバム「You Are Not the Boss of Me!」の完成間近の知らせと、日本盤としてPizza Of Deathからのリリースが決まり、その日本盤のボーナストラックにHUSKING BEEの曲のカバーを入れる予定だと。おー嬉しい、楽しみだ。多分 ”Share The Joy Of Our Tour” をめちゃ歌ってたから、それだろうな、と思っていた。そしてしばらくして届いた音源が “8.6” のカバーだった。おそらく、アメリカに帰って改めて曲の歌詞を見て決めてくれたのだろうと思った。僕がたまたま生まれ育った広島の街で起こった出来事は、繰り返してはいけないし、時間をかけて平和を伝える街として復興した街を誇りに思っている。そんな曲を、共に演奏の旅をしたアメリカのバンドが歌ってくれるなんて、嬉しくて、ありがたくて泣けた。
Sickoの4thアルバム「You Are Not the Boss of Me!」のリリース後に、ほどなくしてHUSKING BEEのライブ開演時のSEは アルバムのなかのインストの曲、“In So Many Words” を使用するようになり、現在も使用している。

そしてまた、アメリカのバンドの話へと続けよう。
1stアルバム「GRIP」のツアーを97年前半に終え、引き続き、様々なライブ活動を精力的にやっていた。そんななかで、6月にはSPROKET WHEELと共にアメリカのポップパンクバンドの雄、カリフォルニア州バークレーのTHE MR.T EXPERIENCEのJAPAN TOURを開催。
QUEERS、SCREACHING WEASEL、そしてGREEN DAYなどの音源を輩出したレコードレーベルLOOK OUT Recordsの代表的なバンドTHE MR.T EXPERIENCE。昨年11月にリリースされたHi-STANDARDのミニアルバム「Screaming Newborn Baby」に収録されている “Book of Revelation” は、THE MR.T EXPERIENCE の4thアルバム 「Milk Milk Lemonade」に収録されている名曲。
とにかく、バンドの中心人物Vo,GtのDr.Frankのメロディーや曲たちは素晴らしく、1996年にリリースされた「Love Is Dead」は、当時は毎日毎日聴いて大好きなアルバムだった。そんな好きなバンドと、一緒にツアー出来ることが決まるなんて信じられなかった。

ここで話は、少し脱線します。名古屋ハックフィン(地下B1にある)の上には、バンド関係者には有名なホテル長楽がある。ここに泊まったことがないまま、ホテル長楽の都市伝説のような噂しか知らない音楽関係者も多くいらっしゃるだろう。
僕らはバンドの初期はお金がなく、地方でも友人バンドの家に泊まらせてもらったりしていた。なので、当然のようにハックフィンでのライブ後は激安のホテル長楽に泊まったことが何回かあった。1泊1人2500円くらいだったのかな。2階には2部屋あって(まあ基本仕切りの襖は取っ払って開放、2階にしか泊まったことがないけど3階にも部屋があるのかも)、2、3バンドで泊まって、人生で長楽以外では見たことのない、絵に描いたような薄すぎるせんべい布団を全面に敷き詰め、みんなで雑魚寝していた。人数が多くて狭いので、押し入れで寝る者もいた(主にテッキン)。
部屋の隣にシャワーはあるが、ホラー映画で使えそうな雰囲気で。何とも言えない水色と緑の間の薄気味悪い色をした水よけカーテンはあるが、寸足らずで人から丸見えになるのが一目瞭然。お湯が出るのか疑うような感の設備。暗黙の了解で、それを使う者は1人もいなかった。使えばたちまち罰ゲームのようになることは必然だった。
泊まった経験があることで、何年経っても打ち上げの場で、経験のないバンドたちに対して喋ると盛り上がる話のタネ、そんなホテル長楽。

THE MR.T EXPERIENCEのツアーの初日は名古屋ハックフィンだった。
ライブ前日に無事に来日したバンドメンバーと空港で合流し、そのまま東京から名古屋へ移動。その日の宿泊はホテル長楽だった。THE MR.T EXPERIENCEがいきなり長楽。それだけでも心の中はインパクト大、不安感も大。
なのに、長時間フライトで疲れたうえに、そのまま車移動。夜中に名古屋に着いて疲れていたDr.Frankが、ボクハシャワーヲアビタイと言っていると。他のMR.Tメンバーはおそらく、部屋に入ったりしている過程でチラッとそのシャワーする辺りを見て何じゃこれ?出来るわけないと察知していたのか、ボクラハシャワーハイイヨ、ソノママネルヨ、な感じ。
しかしDr.Frankはシャワーシタイと言っている。日本のバンドメンバーも誰も使ったことのないシャワー…。ここで多分出来ますよ、と誰が伝えたか分かりませんが、Dr.Frankが速攻でシャワーし始めた時に、僕はまだ荷物を運んだりしていてどうしても横を通らなければいけなかった。僕は見た。見たいわけじゃないのに見た。ターミネーターT-800登場シーンのシュワちゃんみたく全裸でかがんでシャワーしているDr.Frankを。お湯がちゃんと出ていたのかも分かりません。水量がちゃんとあったのかも分かりません。とにかく心の中で、謝っていた。本当にすみません。ここ、日本の中でもなかなか経験することのないだろうホテルなんですけど、日本に着いてすぐ…が、この経験で、なんかほんとすみません、、と。

その後の東京2公演と仙台公演の時は、普通のホテルでメンバーそれぞれシングルに泊まったので、THE MR.T EXPERIENCEもアメリカに帰って、あの名古屋のホテル、なんかすごかったなあって回顧したはず。
THE MR.T EXPERIENCEのライブは極上のPOP PUNKで全公演素晴らしかった。何よりメンバー全員の優しい人柄にリスペクトでした。

さあ、次のブログでは1997年8月30日に開催された、お台場レインボーステージでのAIR JAM’97に触れていきましょう。


▼Sickoとのツアーフライヤー



▼THE MR.T EXPERIENCEとのツアーフライヤー





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Vol.13:HUSKING BEE 1996~97年編
Vol.12:HUSKING BEE 1996年編
Vol.11:HUSKING BEE始動編3
Vol.10:HUSKING BEE始動編2
Vol.9:HUSKING BEE始動編
Vol.8:バンド結成に向かって編2
Vol.7:バンド結成に向かって編1
Vol.6:上京編2
Vol.5:上京編1
Vol.4:広島〜高校時代編4〜
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