真っ白なパーカーにチョコのかけらを落としてしまって

茶色の点はほんのわずかなのに

もうパーカーの全てがその点のキャンバスにでもなったかのようで

酷く不憫に思う

まるで支配されてしまったかのように

視線はその茶色い点に釘付けになる

お気に入りのパーカーは

小さな茶色の点が気になるパーカーになってしまった

陣取り合戦なら、白の圧勝

遠くから見れば白にしか見えない

なのに、もう、それは茶色い点のパーカーなのだ

何か楽しみな予定があって家を出たのに

鍵を閉め忘れた気がしてしまって楽しめない

そんな時の頭の中のように

説明書通りに組み立てたプラモデルの

なぜかひとつ余ったパーツのように

人は大部分を占めるはずの大事なことがすぐ見えなくなる生き物らしい

99の幸せがあっても、その後に1つ小さな不幸があれば

すぐ自分はツイてないと思ってしまう

確かにお気に入りのパーカーにチョコを落としてしまったのはツイてなかった

でも、それをこうしてブログのネタにできているんだから

そう悪いものでもない

いつぞやの失敗話が笑い話になるように

その場ではやらかしたことも、場所を変えて花開くこともある

それは99の幸せがあるからだ

そうやって少しずつ見逃しがちな大部分の存在に目をやれるようになれば

こんな茶色い点なんて気にもならないはずだ！！

と意気込んだはいいものの

結局このパーカーは3軍の部屋着へと降格となりました