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Blog「物の価値は誰が決める?」

2019.10.24

  • Blog

例えば日頃よく使われるスパイス、「胡椒」

スーパーやコンビニなど

とても身近でそして比較的安価で手に入れることができる

でも、それは現代のお話で

古くはヨーロッパ、紀元前400年頃から、その入手の困難さ故に

金銀とほぼ同等の価値で

「天国の種」と呼ばれていた時期もある

その希少価値が胡椒の価値を引き上げ

さらにはヨーロッパは肉食文化だったため

保存と消臭にダブルで効く胡椒は欠かせないものだった、、、らしい


とまあ、胡椒は明確な裏付けがあって金銀と同等の価値がついたわけだけど

今回はそういう話がしたいわけじゃない


例えば、スーパーに30円で売られているもやしがある

このもやしに勝手に設定を付け加えて

胡椒並みにその価値を釣り上げたい

もっといえば「お徳用、牛肉切れ端パック」をシャトーブリアンに

100均ショップに売っているプラスティックのお茶碗を有田焼に

回転寿司のマグロ赤身握りを大間のクロマグロの大トロに

思い込みだけで近づけることは可能なのか、というお話

まず、この30円のもやし


あ、ちなみにうちの近くのもやしは19円だよーとかは受け付けておりません

どこにでもあるもやし

これに思い込みで価値を足していこう


まず、希少性をあげたいので、最後のひとパックということにしよう

実際には、たくさん積んであるうちのひとつだとしても、思い込みなので関係ない

続いて、今の自分にもやしの需要と供給のバランスを整えたいので

とてつもなくもやし炒めが食べたかったことにしよう

そして、もやしそのもののバックグラウンドを考えるとすれば

このスーパーにもやしを毎日届けてこの道50年のもやし農家の佐藤さん(仮)

が引退をすることになり、跡取りもおらず、泣く泣く家業を畳むことに

そしてなんと、今日がその最後の日

近隣の家庭の食卓を長年支え続けた佐藤もやし

もう今後、二度と口にすることは叶わないとしたら…

「この道50年の佐藤もやしの最後のひとパックを奇跡的に手に入れて作ったもやし炒め」

もうこの時点で最上な気がしますが

もう一個だけ

ここまで、自分の気持ちと、もやし自体の希少性を考えてきたわけですが

じゃあ次は何をどうすればいいと思いますか?

僕は考えました

そうだ、地球が滅亡しかかっていることにしよう

あなたは今、滅びゆく街をさまよっています

近所のコンビニもスーパーもすでに食料という食料はほぼ全て先客に取られてしまい

何件も巡って、ここが10件目のスーパー

あまり大きくはなく、食料が残っているかは入り口からはわかりません

それでも一縷の望みをかけて入店

あまりの疲労感と空腹感にふらふらになりながらかすむ目で店内を見回し

ようやくたどり着いた、野菜コーナー

そこにはなんと、ひとパックだけもやしがありました

あまりにまばゆく、神々しいもやし

あなたはそのあまりのたたずまいに涙しそうになります

でも、とっくに涙は枯れてしまっていて、出ませんでした

作ってくれた人は今はいずこへ、どうか無事でいますように

感謝を伝えたくても手がかりは「佐藤もやし」というキーワードだけ

もはや住所などこの崩壊し始めた世界では意味もない

あなたは最後のもやしを大事に大事に抱え、もやし炒めを作りました

カセットコンロに小さなフライパン

もやしに塩胡椒だけで味付けをしたシンプルなもやし炒め

あなたはそれを、割れずに残っていたプラスティックのお皿によそい

ゆっくりと口に運び味わいます。

一口一口、シャトーブリアンなんか目じゃないほどの旨味と

大間のクロマグロよりずっと強く鼻を抜ける風味

そのあまりの美味しさに、あなたは箸を止めることはできませんでした

あっという間に無くなったもやし炒め

もう二度と、口にすることの出来ないもやし炒め

最後の一口を食べて、この世のもやしはなくなりました

少し膨れたお腹と、後に残ったプラスチックのお皿

さあ、これからどうしよう、願わくばもう一皿、もやし炒めが食べたい

その願いを叶えるべく、あなたはまた、さまよい続けるのでした

この物語はここで終わり

この先は、あなたが作るのです

そうです、これは架空のお話、フィクションです

あなたは今からすぐ近くのスーパーにもやしを買いに行くことができます

たぶん、いつもよりずっと美味しくもやしを食べることが出来ます

その準備はここまでで十分に出来上がったはず

あなたはこの平和な日常で、欲しいものは大体手に入る環境で

そのものの価値をしっかりと知ることが出来ているでしょうか

物の価値は値段が全て?数が全て?

誰かが決めた価値で本当に納得できていますか?

「え、これこんなに高いの?」とか

逆に、「こ、これこの値段でいいんですか!?」

なんてこともあると思います

最後に価値を決めるのは、自分自身

だって、その魅力的なもやしをこの世界は30円て決めちゃったんだから

本当のもやしの価値を知ってるのはあなただけだ!

さあ、もやしを求めていざ、冒険へ出かけよう!

おしまい