header-logo-pc

header-logo-sp

ゲストさん

新規登録

ログイン

News

Blog「その人を想う」

2021.02.27

  • Blog

ついさっきまでとても大切な人がいたけど

何かの魔法にかけられて、その存在も、声も形も名前も痕跡も

なにもかも僕が忘れてしまったとしたら

一体なにをもってその存在を証明することができるのか、と

つい、考えてしまった



魔法使いがこの世に実在したとして

なんかうまいこと魔法の痕跡を隠蔽し続ける機関の働きで

一般人には一切その存在を認識されないようになっていたら

どうやってその人を見つけ出せばいいのだろうか、とか


僕が大切に想っていたまさにその人が魔法使いで

その秘密を知ってしまって

記憶を魔法の存在しないものに辻褄を合わされてしまって

その人との出会いも思い出も別れもなにもかも忘れてしまったのだとしたらとか


どんなに考えを巡らせても

結局は答えのないただのスカスカな頭の中に広がる妄想なのだけど

もし、そうだったら、いいな

と思った自分がいた

自分がもし双子だったらとか

空が飛べたらとか

天才だったらとか

もしも、たられば、の話の終着点はうやむやになりがちだけど

誰かを大切に想い、そして想われていた日々が

忘れてしまっただけで実在していたかもしれないとしたら

決して悲劇ではないのかな、と


昨日何食べたっけ

あの人の名前なんだっけ

なんてことはしょっちゅうある


もしかしたら、僕らは何かの魔法にでもかけられて

ずっと大切にしてきた人を、思い出せなくさせられてるのかもしれない

なんでもない時にふと心によぎる寂しさが

心から大事にしていた何かを忘れてしまった直後の余韻だとするなら

いないはずのその人を想う

そんな日があってもいいと思った