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Blog「3度目は運命…」

2020.05.01

  • Blog

その日は、夜遅くまで歌詞を書いていて、たぶん深夜4時頃だったと思う

部屋の壁掛けの時計に目をやり、ひとつノビをして

睡魔が頭を鈍らせ始めたのもあって、一旦休憩でもしようかと腰を上げた

家の近くに自販機があり

コンビニよりもスーパーよりも安くエナジードリンクが売っている珍しい自販機だった

小銭をポケットに入れ、サンダルを履いて家を出る

少し湿った深夜特有の空気感を肌に感じながら

自販機の青白い光の中、いつものエナジードリンクのボタンを押す

ガチャガチャ、と自販機が缶を吐き出し

僕はそれをかがんで取る

そして、さあ家に戻って続きをするか、と向き直ろうかとした時

ザッ、ザッ、カツーン。ザッ、ザッ、カツーン。

何かの音がする、まだ遠いがだんだん近づいてくる。

その音の方に目を凝らすと、杖をついたおじいさんがひとり

道の反対側を歩いて、通り過ぎていった

僕は何気なく、朝の散歩かな?と思い

深夜4時、いや、早朝4時、あり得なくはないか。とその日はあまり気に止めなかった

次の日も、僕は遅くまで歌詞とにらめっこしていた

時刻は深夜2時

昨日より少し早い時間だったが、眠くなってから持ち直すのは辛いと思い

また、自販機にエナジードリンクを買いに行った

そして、昨日と同じように小銭を入れ

自販機の青白い光の中で、いつものボタンを押し

ガチャガチャと吐き出された缶を拾い上げ

家への道へ向き直ろうかとした、その時

ザッ、ザッ、カツーン。ザッ、ザッ、カツーン。

道の反対側を、昨日のおじいさんが歩いていった

深夜2時、いや早朝2時…

早朝というにも、朝の散歩というにも無理のある時間じゃないだろうか

それに、昨日は4時で、今日は2時

毎日の日課と言うにはだいぶズレてしまっていないだろうか

なんだか、書き方次第では怖い話に出来そうな感じの体験ではあるが

僕自身、全く怖いとは思わなかったので、むしろおじいさんを心配する方に心は動いた

ただ、昨日とは違う服装で、足取りは杖はあれどしっかりとしている

そんなに心配になることはないのではないかとも思えてきた

2日続けて会ったのはきっと偶然だったのだろう

もし…

もし、明日また会うようだったら

声をかけてみるのも良いかもしれない

一大スペクタクル映画の幕開けか

はたまた恋の始まりか

予想だにしない未来がその先に待っているはずだ!(何を期待してんねん)