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ぴあスポーツビジネスプログラム 常任講師 中村武彦 BLUE UNITED CORPORATION President & CEO インタビュー

2021.01.28

  • PSB insights

BU中村氏

常任講師 中村武彦 BLUE UNITED CORPORATION President & CEO



ぴあスポーツビジネスプログラムはBLUE UNITED CORPORATION(本社:アメリカニューヨーク、代表:中村武彦)とオフィシャルアカデミックストラテジーパートナー契約を結び、PSBを全面バックアップいただきます。そこでPSBの常任講師も務めていただく中村氏に、日本のスポーツビジネス界とPSBの役割について語っていただきました。

PSB設立について

ぴあとは2013年に、デル・ピエロの所属するシドニーFCとサガン鳥栖の国選親善試合の マッチエージェントとして雇っていただいたり、その後、BLUE UNITED CORPORATIONを設立してからも最新事例レポートの共有など、一緒に仕事をさせてもらっています。
あるとき、ぴあの方から人材不足という課題があるという話を聞いた時に、「それならスクールを作ったら」と提案したのですが、こんなに早くできるとは思っていませんでした。「うそ!」「もうやるって話になったの?」って(笑)。とにかくスピード感があった。新型コロナウィルスの残念な影響もありますが、この時期の経験や創意工夫もきっとこの先活きてくると思っています。

BU中村氏4


日本の“スポーツビジネス”の現状とは

どんな業界でもその業界の特異性があると思います。今の日本のスポーツビジネス業界は、その特異性を理解していく過程なのかなと。今でこそ日本のスポーツマーケティングは世界に劣らないところまで来ていると思いますが、スポーツビジネスの中でも営業、運営、法律、財務などさまざまな領域で今は過渡期なのかなと感じています。
一番根本として大事なのは、スポーツビジネスは、ピッチ内の選手とピッチ外の選手という両輪でまわっているというところ。ピッチ内だけの勝負じゃなくて、ピッチ外の勝負にもなってくるビジネスなので、ピッチ外の選手、いわゆるフロント業務という要素を補強したり、鍛えたり、プロを作り出したり、そういう部分に徐々に時間をかけているところかと思います。
スポーツビジネスにはまだ、ピッチ外も大事だという意識が足りていない面もあります。海外では、ピッチ内よりピッチ外のほうがいいお給料をもらっている人もいます。ピッチ外の給料が日本は低いという批判ではなくて、お給料には支払う根拠があります。ピッチ外も鍛えて、守りだけではなくて攻めができるピッチ外の人を連れてこれるようになれば、自然と給料面も変わってくるはずです。
スポーツチーム経営を語る上で「勝利を確約できない」など難しい点はいくつかありますが、特徴的なのが“経営視点の長さ”の違いです。クラブが未来永続存続するために中長期的な視点で経営をすることはほかのビジネスと一緒です。しかし、ピッチ内の選手には限られた選手寿命があり、負けたら降格して給料が減る。だから“今週末勝つ”“今シーズン勝つ”ということに集中しなければいけない。当たり前ですよね。ピッチ内の経営的視点はものすごく短いのです。
経営視点の異なるものが1つの会社内にあるということを理解しつつ、限られたクラブ資金というリソースをピッチ上の選手だけではなくて、ピッチ外でも攻めるために投資していくという考え方もこの先重要なのではないかと思います。

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スポーツビジネス業界への就職

僕が就職を考えていたころ、日本にスポーツビジネスについて教えてくれる場所はなかった。誰か教えてって感じで、結局海外にその場を求めました。今は日本にもスポーツビジネススクールは数多くあって、すごい勢いで伸びてきていますが、まだまだ新しい業界です。
スポーツビジネスって基本的に一般公募してないことが多くて、ほとんどは転職になるのですよね。そもそも就職活動の募集要項にも出てこない。スポーツビジネスがどんなものなのか知らない人のほうが大半かなと。僕もいまだに「スポーツの仕事をしています」って言うと「スポーツの仕事ってなんですか?」と聞かれます(笑)。
そうなると、そもそもスポーツ業界で働くってアイデアもそんなになくなってしまっていると思います。「こういう業界があってこういう仕事があってこういう風に働いている人がいるのですよ」と、「スポーツビジネスって知ってます?」「結構おもしろい仕事なんですよ」ってことも含めて伝えていきたいです。

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いいビジネススクールにするための3つの要素

PSBの骨子にもなっていますがいいスクールを作るには3つの要素があると思っています。
1つ目は、“誰がやっているか”。実績があって、信用できて、「そこがやってる学校だったらちゃんとしてそう」「信頼できそう」と思ってもらえること。 2つ目は、“講義のカリキュラム”。まず「なぜこういうことをしなきゃいけないのか」という原理原則があり、その「なぜ」を理解したら実際の事例を説明し、その結果こうなります、こういう課題も出ます、最終的には自分たちだったらどうするかという実践もします、という内容がカリキュラムとしては必要かなと。
3つ目は、卒業してどうなるの、というところですよね。学校に行くということは、学費はもちろんですけど、自分が稼げる時間を投資してるわけですよね。そのリターンが何かということが明確じゃないといけない。学校法人ではないので学位は出せないけれども、その代わりに、スポーツ業界に行きたい人に親身になってしっかりとした紹介ができること。
この1つ目と3つ目について、ぴあほどできるところはなかなかないなと思っています。スポーツ界において広くいろいろな事業をやっているという信頼と実績があります。卒業した後に、ぴあのネットワークをもってすれば、きちんとしたしかるべきところを紹介してくれる。そういう意味でぴあならいけるかなと思いました。

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PSBが目指すところ

PSBは本当にポテンシャルがあると思っています。会社として業界全体に後進を育てるって感じじゃないですか。これからの日本の中でスポーツビジネスのスクールは数多く出てくると思いますけど、「ちょっと違うよね」「特別な存在だよね」ってスクールになれると思うし、したいなと思っています。
FIFAやバルサも自分のスクールを作っていますし、海外のそういうスクールがある企業とも今後連携していけるんじゃないかなと。そこからスポーツと同様にスポーツビジネスの部分でもつながっていける。FIFAのスクールなどと組むってことも夢物語じゃないと思っています。

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中村武彦 BLUE UNITED CORPORATION President & CEO
1976年生まれ、青山学院大学、UMASS修士課程、ISDE法科学院卒。NEC入社後、日本人初のメジャーリーグサッカー(MLS)国際部に転職。FCバルセロナ国際部歴任などの経験を経て、2015年Blue United Corporationを設立。東京大学社会戦略工学研究室共同研究員も務める。
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