2026.09.29
Hi-STANDARD「All The Way To You Tour」LIVE REPORT/2026.09.07@熊本B.9 V1
- REPORT
※10/19(月)23:59まで無料公開!
2026.09.07@熊本B.9 V1

TEXT:モリカワカズノリ
PHOTO:西槇太一
2026年8月24日、突如として発表されたHi-STANDARDの秋のショートツアー『All The Way To You Tour』。9月7日の熊本B.9 V1での公演を皮切りに、鹿児島、広島、最後の東京と全4箇所でのライブを予定する。スタートとなる熊本での公演は、2017年以来約8年ぶりとなったHi-STANDARD。会場の熊本B.9 V1には、開演前から熱気に溢れ、会場内はおよそ800人の観衆でパンパンになっていた。
開演時間を過ぎても鳴り止まないOiコールと共に、ついに3人がステージに姿を見せた。
難波章浩(Vo/Ba)が「みんな怪我するなよ!」と投げかけ、「Fighting Fists,Angry Soul」でツアーの口火を切った。
同時に、この日を待ち侘びた観衆たちが拳を突き上げ、全力のシンガロンで空気を揺らした。早くもボルテージはマックスだ。
続け様に鳴ったのは「Song About Fat Mike」。彼らが敬愛するNOFXのFAT MIKEに向けた楽曲を響かせ、曲が終わると「みんなすげーな(笑)」と難波。オーディエンスの熱量を実感しつつ、「みんないろんなところから来てるの?世代とか関係ないね!みんな歌ってよ!」との難波の声と共に、お馴染み「All Generations」をプレイ。
さらに、「輝くの忘れんなよ!」の難波の一言で次曲を察したオーディエンス。曲が鳴る前から声をあげ、「Stay Gold」のイントロが響くと、もう一段ボルテージが上がった。青春時代をハイスタと共に過ごした当時からのファンはもちろん、今の10代や20代も、この曲に背中を押され、勇気づけられた人は多いはず。この唯一無二のアンセムを、ライブの序盤に持ってきたことで、この日のセットリストにも期待が膨らんでくる。なんとここまで、開始10分たらずで会場の一体感は最高潮に引き上げられたのだ。
「みんなの声がすご過ぎて自分が何の演奏してるかわかんないよ(笑)。普通は楽器の音を上げたりするんだろうけど、俺たちはみんなに会いに来たから、そんな野暮なことはしないよ」と横山健(Gt/Vo)が、改めて熊本B.9 V1に満ちたエネルギーの凄さを噛み締めた。「熊本の人、大変な中今日は足を運んできてくれてありがとうね」と難波。
温かな拍手に包まれライブは次のブロックへ。始まったのは「The Pink Panther Theme」。ピンクパンサーのコスプレをした観客を発見した難波は、「上がっておいでよ」とステージに呼びピンクパンサーのテーマを一緒に踊った。このサプライズで幸福なムードを作り、「Wait For The Sun」、ライブではレアな曲「Hello my Junior」、そして、「Lonely」へと繋いだ。
MCでは、「みんな一人じゃないよね。ハイスタがいるよ」と難波。「パンクロックは攻撃的(な音楽)とか言われてるけど、俺たちはピースフル(なバンド)だと思ってるから。熊本は十分攻められてるから、今日くらいは攻めなくてもいいかなと」と横山が続けると、「今日は熊本を愛すから」と難波も思いを伝えた。
「次やる曲は、ZAXが入ってからライブで演るの初じゃない?しかも、作曲はツネちゃんです」と難波。2023年2月に逝去した恒岡章(Dr)が作った曲であることを紹介し、「唯一、ハイスタの曲の中で、ツネが音ネタを持ってきて完成した曲なの。しかもツネって、お父さんが鹿児島出身でお母さんが熊本なんだよ。だからツネは九州の人間」と横山が話すと、難波も「そうだそれでこの曲だ!ツネちゃんにやらさせてるんだよ」と反応。そんな恒岡作曲のインスト「Cabbage Surfin'」がかかると、そのリラックスなメロディーに自然と体が揺れた。
横山の「次は傷ついた熊本にぴったりの曲を演るよ」のコールで始まったのが「Glory」。光が注ぐような明るくエネルギッシュな曲に合わせて、観衆の力強いシンガロンが混ざり合う。その勢いで、『FUJI ROCK FESTIVAL’26』でも演奏した「Have You Ever Seen The Rain」を畳みかけ、「Teenagers Are All Assholes」へと続く。ドラムとベースのリズムの上に横山のギターソロが乗り、会場をグルーブさせる。サッカー日本代表の応援歌「VAMOS!NIPPON」をオーディエンスがチャントするというお馴染みの流れとなり、曲に入ると会場の熱気が爆発した。
後半は「みんな、授かった命を大切にね」という難波のメッセージで「The Gift」から始まり、「Close To Me」を立て続けに届けた。2025年11月にリリースしたミニアルバム『Screaming Newborn Baby』から、「新曲するね」と難波。「…聴いてっかな」と呟き、恒岡へ届けるようにエモーショナルなナンバーを歌い上げた。
「このタイミングでHi-STANDARDが熊本に来れて本当によかったです。ありがとう」と横山が改めて感謝を言葉にした。直後、名盤『MAKING THE ROAD』の中で重要なアクセントとなっているボサノバ風のインスト曲「Tinkerbell Hates Goatees」で会場をチルなムードにさせたかと思えば、「ANOTHER STARTING LINE」で再びトップギアに持ってきた。変幻自在の展開に身を委ねていくうちに、彼らの世界に引き込まれて抜け出すことが困難になっていく(良い意味で)。
曲の途中で歌詞が飛んでしまった難波に対して、横山が「この曲には、難ちゃん自身やメンバー、ハイスタの復活だったり、いろんな思いが絡んでるんだ。この曲を熊本で鳴らしたことに感じるところがあって、それでぶっ飛んだんだよきっと(笑)」とちゃちゃを入れ、会場が笑いに包まれた。
次は友情や夢、情熱を月夜に誓うナンバー「Moon」を届け、直後、ZAXの力強いドラミングから始まる「Starrry Night」、「Our Song」で観客との一体感を強めた。
ここでついにZAXが発声。「からし蓮根!」と叫び、そこから熊本グルメ、夜のお店の話に発展し、オーディエンスとのコミュニケーションも楽しんだ。
アンコール前のラストは「Brand New Sunset」。明日への希望を力強いメロディーと歌詞に乗せた名曲の一つだ。歌い出しから最後まで大合唱が包み、横山が冒頭で言っていたが、ハイスタの3人は音以上にオーディエンスの声に乗せて演奏しているように見えた。まさに、“ピースフル”な今日のライブを象徴するシーンとなった。
3人がステージを後にすると、すかさずアンコールが起こった。その声に応えたメンバーが再登場し、「ありがとう。熊本愛してるよ。熊本以外の人も来てると思うけど、同じように愛してるよ」と横山が本日何度目かの感謝を口にし、「九州を盛り上げていきましょうよ。チャンスがあったらまた来たいよ」と難波も想いを投げかけた。
「じゃあ、あとちょっと演るよ!」と難波の声に呼応して、「Dear My Friend」で一気に空気を作った。そして、今日イチのZAXのドラムソロが響き、ベースとギターも合流して「Maximum Overdrive」でさらにアゲていく。
さらには、「よし、じゃあ最後に1曲ね!健くんと一緒に歌ってくれるかい」と難波がいざない、横山のリードボーカルで「THE SOUND OF SECRET MINDS」を急遽演奏。ハイスタからの思わぬプレゼントに、オーディエンスは、悔いの残らないようにと破茶滅茶な盛り上がりとなった。
終演後、汗だくになりながらも一様に笑顔のオーディエンスが思ったことだろう。ハイスタはやっぱり最高だ。最後の最後まで一人残らず、彼らの愛を感じとり人生の特別な時間を過ごすことができた。この熱を全身で受け止め、ハイスタも最高のツアーのスタートを切れたのではないだろうか。
●SET LIST●
01. Fighting Fists, Angry Soul
02. Song About Fat Mike
03. All Generations
04. Stay Gold
05. Pink Panther Theme
06. Wait For The Sun
07. Hello my Junior
08. Lonely
09. Cabbage Surfin'
10. Glory
11. Have You Ever Seen The Rain
12. Teenagers Are All Assholes
13. The Gift
14. Close To Me
15. Stand By Me
16. Tinkerbell Hates Goatees
17. Another Starting Line
18. Moon
19. Starrry Night
20. Our Song
21. Brand New Sunset
—ENC—
22. A Ha Ha
23. Dear My Friend
24. Maximum Overdrive
25. The Sound Of Secret Mind
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