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2026.02.19

「SKULL SKATES NIGHT」LIVE REPORT

  • REPORT

SKULL SKATES NIGHT
2026.01.31@SHIBUYA THE GAME


TEXT:ヤコウリュウジ
PHOTO:徳王圭太朗


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【ACT】COKEHEAD HIPSTERS/HUSKING BEE/COCOBAT/DUB 4 REASON
【DJ】OHNO (SKULL SKATES)/日下部(KYRA/雷矢) & IGNITION MAN aka ヒデボウイ/MORICAWA (Low-Cal-Ball)
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 カナダ発のハードコアスケートブランドとしてストリートから絶大なる支持を集めるSKULL SKATESが主催する「SKULL SKATES NIGHT」が1月31日、SHIBUYA THE GAMEにて開催された。
東京では久しぶりとなるCOKEHEAD HIPSTERSのライヴに注目も集まったが、そもそも出演するバンドもDJ陣も90年代から自らの信念を貫きながらサバイブしてきた猛者ばかり。とは言え、在りし日に思いを馳せるBack to 90sではなく、あの時代の良さを今も感じられる、食らわせてくれるイベントであることは間違いない。
チケットもすぐさまソールドアウトし、当日ははやる気持ちを抑えきれない観客が集い、開場前から長蛇の列。始まる前からいいムードが広がっていた。

 会場に足を踏み入れると、寒風に吹かれた体を温めてくれるかのよう、ジミー・クリフの「Ruby Soho」が耳に飛び込んでくる。数々のパーティーを盛り上げるだけでなく、自らのイベントも手掛けるMORICAWA (Low-Cal-Ball)のセレクトだ。そんな心地よい音楽を浴びながら、SKULL SKATESをはじめとして、お気に入りの服を身にまとった観客はイベントの始まり特有の高揚感を噛み締めている。


 会場はこの段階から満員御礼であり、常に誰かと密着するような状況ではあるが、嫌な感じはない。言葉は交わさなくとも、この現場を選んで駆けつけた者同士のような絆もある。旧友と酒を酌み交わし、徐々にテンションがアガる中、今度はSKULL SKATES JAPAN代表の大野がDJブースに立ち、スピンするのはライヴが近づく鼓動を投影したようなハードなナンバー。デッド・ケネディーズ、ブラック・フラッグ、7セカンズ等々、パンクロックやハードコアの源流を知る人間だからこその音が何とも嬉しい。

 そんな空気に浸っていると、会場が暗転し、流れるのはまがまがしいSE。SKULL SKATES NIGHTには欠かせないであろう、インストゥルメンタル・ダブの雄、DUB4REASONだ。
暗闇の中、ギターのフィードバックノイズも響き、「DUB TROOPER」から暗黒とも言えるヘヴィな音世界が幕を開ける。とは言っても押し潰されるような感はない。MASTER K(G)による琴線に触れるギターフレーズには煌めきもあり、TOMOYA(Dr)が叩き出すリズムは心地よい。KOHGA(Ba)が呼びかけるように右手を高く掲げれば、自ずと観客たちはその異空間に吸い込まれるのだ。



怪しげなイントロから突入する「ANARCHY AND DUB」はうかうかしていると何かを削り取られるような魔性の魅力を誇り、フロアの熱気も上昇。「久しぶりの東京。一緒に楽しみましょうね」とMASTER Kが語りかけてから放った「GOD OF DUB」が放つ神聖さもまた素晴らしかった。
中盤に入ってもいい緊張感は保ちながら、音色やフレーズのバリエーションの豊かさも相まって、描かれるのはドラマティックな光景。「WICKEDUB」ではここぞ、というポイントでは観客も拳を突き上げ、轟音に酔いしれる最高の空間ばかりが広がっていく。



不可思議で軽快な「SHOUT DUB」で秀逸なミュージシャンシップを見せつけた後、ド級のサプライズがラストナンバー「SOUL CRAFT」だった。スペシャルゲストとして呼び込んだのはNUMBのSENTA。ハンマー級のサウンド中で轟くシャウトは流石すぎた。バンドのトップバッターとしてはあまりにも強烈なステージだったと言えるであろう。


 ライヴの余韻が残る中、さらに熱気を生み出したのが日下部(KYRA/雷矢)& IGNITION MAN aka ヒデボウイのよるDJプレイだ。今日は40、50代も多いでしょう、ということでEARTHSHAKER、44MAGNUM、浜田麻里といった80年代を中心にピックアップ。観客とコミュニーケーションを取りながら、エピソードトークを交える余裕も見せつつ、「土曜の夕方、楽しんでますか? まだまだ続くぜ、このパーティー!」と更なる活況を求めていっていた。


 そして、ステージに登場するのは日本におけるミクスチャーシーンの礎を築いた存在でもあるCOCOBAT。仰々しい登場ではなく、スッと定位置につき、いきなりキレッキレな「Far」を投下してくれるのだからたまらない。うなるグルーヴは当然、切り裂くHIDEKI(Vo)の歌声も凄まじい。説明無用、その音だけで醸し出る説得力。すべてを飲み込むドライブ感を誇る「Vale Tudo」と続けば、当然のようにフロアの密集度は高まりまくり、高速ビートと共に拳を突き上げていく。


その後も「Do The Stretch」、「Numeros」、「Grab Your Own shit」と1996年に発表したアルバム『RETURN OF GRASSHOPPE』のナンバーを続けていくが、90年代から活躍し続けるバンドの強靭さと言っていいだろう、お前らならわかるだろ、と言わんばかりに激烈で鮮やかな曲を叩きつけていくスタイルも頼もしいし、そこにちゃんと呼応する観客も最高だ。



脳裏に焼き付くどころか、焼き尽くされるようなパフォーマンスが続き、終盤で飛び出したのがなんとNukey Pikesのカバー「Easy Love Baby」。トリビュートアルバムで披露した曲であるが、このタイミングで体感できるとは想像できるはずもなく、会場全体からどよめきも起こる。90年代からサバイブし続けるバンド、DJ、観客がSKULL SKATESの名のもとに集ったこの日、特別な想いもあったに違いない。大熱狂が渦巻く中に最後に放たれた名曲「Grasshopper」では待ってました、と観客も激しく暴れ、大歓声も鳴り響いていた。



 転換に入っても会場の温度が下がらないのは各DJのプレイが冴え渡るからであり、このタイミングで登場したのはSKULL SKATES JAPAN代表の大野。特定のジャンルに偏ることもなく、絶妙にツボを突く曲たちをスピンしていく。ザ・ステップ・キングス 「Right Is Wrong」から来日も決定したゼブラヘッド「Check」へと続け、後半には復活を果たしたダンスホール・クラッシャーズとKEMURIといったスカナンバーからALLへ。気持ちよく心が踊りっぱなしだった。

 だんだんとイベントも中盤戦。疲れるどころか天井知らずで盛り上がる会場へ姿を現したのがHUSKING BEE。今日という日だからなのか、オープニングナンバーは1996年発表のアルバム『GRIP』から「8.6」。コク深いメロディーと磯部正文(G/Vo)のスモーキーな歌声に魅了されつつ、その曲のセレクトにも何だかニヤリとしてしまう。


ステージに向けられた無数の拳をエネルギーとし、平林一哉(G/Vo)のコーラスワークがより曲を豊かにする「A Single Word」と、こちらも90年代、1998年発表のアルバム『PUT ON FREASH PAINT』に収録の1曲。もしや90年代からセットリストを、と想像したところ、飛び込んできたのが「FRACTAL 相似形」。昨年発表したEP『Primary Colors』収録であり、ヴォーカルを担う工藤哲也(Ba/Cho)が作詞作曲したパワフルで衝動感満載なパンクロックナンバーだ。しっかり惹きつけつつ、最新の姿を食らわせる。なんともニクいスタイルであり、現在進行系の自分たちへの自信も感じさせる流れが頼もしい。



「いちばん若手なんで頑張っていこうと思います」と他のライヴではあまりないようなことを磯部が口にした後、これは伝えた方がいいと思うと前置きして「今日、ニューキーのみっちゃん(三橋厚志)、たまたま来てるんだ」と話を続ける。COCOBATがカバーすることも、されることも互いに知らず、ただ、好きなカルチャーに集ったことで起こる奇跡。目には見えないモノを信じる意味があると思わざるを得ない瞬間でもあった。

そんな秘話を披露し、エネルギッシュで磯部と平林による歌声のコントラストが見事な「A Small Potato's Mind」やダイバーも続出した「Anchor」と、後半もキラーチューンを連投。新しい風を、と呟いて始めた「新利の風」はもちろん、とんでもないシンガロングが生まれた「Walk」までどこを切り取ってもハイライトな内容だった。


 汗だくの観客で溢れかえるところに追撃のようにドッグ・イート・ドッグ「Who's the King」を放ち、ヒートアップし続けた先まで見ようと名曲をスピンしていったのがDJ MORICAWA。まだまだ疲れてる場合じゃない、と伝えるようにダウンセットやアンスラックス、勢いづけるようにジェーンズ・アディクションズからアーバン・ダンス・スクワッドを響かせ、気持ちをどんどん高めてくれる。

 いよいよか、と興奮していたところ、遂に登場したのがCOKEHEAD HIPSTERSだ。自由な発想でパンクにハードコア、レゲエもラップも取り入れ、決まりきっていない本来のミクスチャーサウンドで90年代を駆け抜けたレジェンド。再結成以後もその卓越したミュージシャンシップを見せつけてくれていたが、コロナ禍以降、表立っての活動が見受けられなかった。そんな中、昨年8月に5年ぶりに柳ヶ瀬Antsで衝撃の復活劇を遂げ、この日は久方ぶりとなる東京でのライヴ。とんでもない期待感が充満するのも当然だろう。

そこへ飛びかかる1曲目は「Go Way」だったが、素晴らしいキレと華。探る様子なんて一切なく、KOMATSU(Vo)もハンドマイクを巧みに操りながらバッチバチに歌を飛ばす。待ちに待っていた観客が歓喜の声を上げると、間髪入れずタイトルコールから「No Matter What You Say "I'm Going Now"」へ。スカを飲み込んだ弾けるパンクナンバーだ。フックの作り方も上手く、やりたい放題に見えてまとまりもいい。高性能な楽曲は時代を越えるのだと痛感させられる。加えて、難しいことを抜きに、とにかく楽しい。自然と笑みがこぼれ、拳を突き上げたくなるのだ。


ここでSANO(G)が「今日はSKULL SKATES NIGHT。SKULL SKATESは外せない」とリスペクトを口にし、ステージと共にした仲間のバンドへ謝辞を述べ、言葉よりも曲を、とフィジカル強めなグルーヴを誇るミクスチャーナンバー「NEVER BE THE SAME」へとなだれ込んでいく。ポップにもハードにも自由自在。フロアの高揚感も最高だ。
SANOのギターリフも冴え渡り、シンガロング率が高すぎた「POLICE GOING DOWN」、彼らと言えばカバーの名手であり、やっぱり聴きたかったマッキー・パップ「Batman」をポップかつ痛快に鳴らしていく。



今後への意気込みを語ってからの中盤戦は嬉しいカバー曲多めな流れ。スペシャルズ「Concrete Jungle」、細やかなギターアレンジを施しながら、ダイナミックなドライブ感で進む「CALIFORNI-ADDICTION」と色気たっぷりな歌とフレーズが麗しい「YOU HAVE EVERYTHING」を挟み、バグルス「VIDEO KILLED THE RADIO STAR」とくればもう大沸騰のフロアはよくわからない状況。

そこからさらに畳み掛けるのではなく、ベテランらしい小休止をしつつ、一瞬で蓄えたエネルギーを爆発させた「Don't That Playing」を重さとキレを兼ね備えたナタを振り下ろすようにドロップし、ゲストとしてRUDE BONESのHIROSHI BROWN(Tb)を招き、パーティーをより加速させるにはもってこいすぎるデキシーズ・ミッドナイト・ランナーズ「Come On Eileen」へ。激しさと切迫感も素晴らしく、観客のシャウトもタイミングがバッチリ。ファストコアを彷彿とさせる勢いで速射砲のように撃ちまくり、「DO YOU REMEMBER ROCK'N'ROLL RADIO?」のサンプリングの仕方も鮮やかなザ・ナック「MY SHARONA」を続けるという攻め立て方もグッとくる。



とにかくハイエナジーでぶっ放しながら、フロアを常に先導し続け、本編ラストはここにきて極悪なヘヴィさを醸し出し、ビルごと揺らすようなテンション感で炸裂させた「Too Drunk To Fuck」。ダイブにモッシュに、いい感じで無秩序なフロアを作り上げていってくれた。


 大きな拍手に包まれステージを後にした彼らだったが、大きなコールに呼び戻され、1曲だけ、とアンコールとして激烈なショートチューン「ALWAYS BE HAPPY WITH YOU」をプレイ。妙に浸ることもなく、清々しいセレクトもまたカッコよかった。

4バンドのライヴが終わり、クロージングDJとして登場した日下部& IGNITION MAN aka ヒデボウイが「パーティーはまだ終わらないぞ!」と観客の胸の内を代弁する声を上げ、まずはジョーン・ジェット「I Love Rock ’n’ Roll」をスピン。
汗だくの観客がライヴに余韻に浸りながら体を揺らしているところへボン・ジョビを連投するのはもはや反則スレスレ。「Livin' On A Prayer」では大合唱も起こり、最後の最後までこの素晴らしい夜を終わらせたくないという熱気が広がっていく様もまた心地よかった。





●SET LIST●

DUB 4 REASON
01. INTRO
02. DUB TROOPER
03. ANARCHY AND DUB
04. GOD OF DUB
05. WICKEDUB
06. SHOUT DUB
07. SOUL CRAFT feat.SENTA

COCOBAT
01. Far
02. Vale Tudo
03. Do The Stretch
04. Numeros
05. Grab Your Own shit
06. Posi traction
07. Sideball Uncle
08. Easy Love Baby [Nukey Pikes cover]
09. Crunch〜Guy
10. Grasshopper

HUSKING BEE
01. 8.6
02. A Single Word
03. FRACTAL 相似形
04. Sun Myself
05. A Small Potato's Mind
06. Anchor
07. New Horizon
08. 新利の風
09. Walk

COKEHEAD HIPSTERS
01. Go Way
02. No Matter What You Say "I'm Going Now"
03. NEVER BE THE SAME
04. POLICE GOING DOWN
05. Batman
06. Concrete Jungle
07. CALIFORNI-ADDICTION
08. YOU HAVE EVERYTHING
09. VIDEO KILLED THE RADIO STAR
10. Don't That Playing
11. Come On Eileen
12. MY SHARONA
13. Too Drunk To Fuck
14. ALWAYS BE HAPPY WITH YOU


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