NEW
2026.01.14
【磯部正文】広島〜高校時代編4〜
- BLOG
1989年。高校2年生のある日。
東京からのジャパコアの3バンドと、広島の高校生ジャパコアバンドのライブの日が、とうとうきた。舟入町にあったナミキジャンクションというライブハウス。
僕は坊主頭に白Tで、ビリビリに破いたGパン履いて、金色ボディー色のGrecoのレスポールを持って。
この日の東京からの3バンド、Lip Cream以外のバンド名を覚えてなくて申し訳ないのですが、ベースの同級生Mの家で見たジャパコアのバンドのライブVHSの中の、実写版北斗の拳の悪党たちみたいなバンドマン達に、あっという間に囲まれた僕は、新宿のライブハウスでこの間どうだったとか、アメリカに行った時に金髪のお姉ちゃんのお○ぱい揉んだ話とか、悪さした様々な話をニコニコしながら話してくれるのを、色んな緊張感のなか聞いていた。3バンドのほとんどのメンバーが長髪だった。今、振り返ると3バンドの方々は20代だったんでしょうが、高校生の僕からしたら、大々先輩に見え、格好良かった。
そんな時間のなか、誰かがポツリと言った。
「今は… Lip Creamがリハしてんのかー。」
リップクリーム。Mが言ってた東京からのバンドのひとつ。あの唇に塗るやつだ。
ちょっと見に行ってみようかな。
階段をあがり、ライブフロアのドアを開けると、リハーサル中のLip Creamの爆音。
正確に言うとPAの方と照明の方もいらっしゃったと思うのですが、フロアには僕一人。
Lip Creamと僕一人。初めて聴くLip Creamの曲。初めて見るLip Creamの演奏。
全力でリハをする迫力にも、説得力ある曲の重みにも、スタイリッシュな高速ギターソロも、フロアに立ち込めるグルーヴにも。坊主頭の白Tは、人生観が変わる凄まじさに圧倒された。衝撃を受けすぎて、あっという間にファンになった。間違いなくこの時の衝撃が、今につながる自己形成となり、自己陶冶を目指すきっかけとなった。
唇に塗るやつ?と、ぼんやり思っていただけのLip Creamは、東京にはものすごいバンドがいるってことを教えてくれた。東京は、憧れの地として更に膨よかになった。
僕がギターサポートで出演したSECOND RAISEは、もちろんフロントアクト的に1バンド目。無我夢中であまり覚えていない。けど、Lip Creamのリハの衝撃を引きずっていたし、ミスなく演奏出来たと思う。なんだか、オーバードライブやディストーションのエフェクトのギターサウンドってすごくいいなあ、バンドって面白いなあと思ったのは覚えている。Lip Creamのライブは、お客さんが当然暴れに暴れまくっていて、ステージが全然見えなくて、リハ見れてほんと良かったー、と思ったのも覚えている。
そのライブ以降、SECOND RAISEがライブをやったのは高校3年の時の文化祭。SECOND RAISEの他に、違うメンバーでThe BeatlesやThe Rolling Stonesのコピーバンドでも演奏した。ちなみに、同じ広島の公立高校の基町高校の文化祭にも、飛び入りで弾き語りのライブもした。
Lip Creamのアルバムを買って聴きまくり、Mと音楽談義をするなかで、関西のハードコアバンドCITY INDIANも好きになった。Stray CatsやMotörheadも聴きまくった。
ところで、通っていた広島皆実高校は大学進学が当たり前だったので、高3にもなると、進路指導相談的に担任の先生とマンツーマンで話なければならない機会が、学期ごとにあった。僕のクラス担任は化学の先生だったので、マンツーマンで話す時も白衣を着ていた。
「大学には行かないっす。もし行っても音楽やるっす。早く音楽始めたほうが、後々いいと思うっす。たとえ大学に行ったとしても音楽やるから学費が勿体無くなるっす。」
と、若気の至りで語る僕に、白衣先生は呆れていた。
「磯部な、そこをなんとか考え変えて。大学は行っといたほうがええよ。」
この頃の僕は、なにせ中一の頃から抱いていた、音楽を中心に暮らすっていう夢だけを目指し、ピントはそこにしか合っていなかった。
「たとえば磯部な?お前が、この高校で一番歌うまいって思いこんどるかも知れん。そう思いこんで、東京に行ってうまくいくと思っとるんかもしれん。けどなあ、同じ様にそう思いこんどる、高校で一番歌うまいなやつが全国にいっぱいおって、東京に出て争うんで?毎年毎年いっぱい集まるんで?そのなかで生き残らんにゃあいけんのんで。」
白衣先生は真剣な眼差しで言ってくれた。
「面白いじゃん。そのほうがワクワクするじゃん。行ってみんにゃあ分からんじゃん。そのなかにおったほうがええじゃん。」
若気の至り尽くした僕は、そう答えた。
白衣先生は思ったに違いない。ダメだこりゃ。
確かに、歳を重ね、経験を積めば積むほど気づくことが山ほどある。
そのあと上京して、20年くらい経った40歳を迎える頃に、大学とか専門学校とか行っいても良かったのかなと、思えるようになったのもその山の一部。
が、覆水盆に帰らずだ。
さて、そろそろ高校時代編を終えて、様々な事を経験した90年代編へと移りましょう。
▲上京した頃は、長髪のバンドマンを目にすることが多くて、自分も伸ばしてみようの渦中
実家に帰省したら、犬を飼い始めてて、その犬と撮った1992年の一枚
▶ARCHIVE
Vol.3:広島〜高校時代編3〜
Vol.2:広島〜高校時代編2〜
Vol.1:広島〜高校時代編〜
▶LINKS
X:@masafumiisobe
Instagram:@masafumiisobe
HUSKING BEE Official Site
▶RELEASE
会場限定販売の新曲4songs入りCD
「Primary Colors」2025/11/29リリース
▶LIVE
・『THE GELUGUGU 30th ANNIVERSARY』
SPECIAL 2MAN LIVE
「THE GELUGUGU vs HUSKING BEE」
2026/1/18(日) 下北沢ReG
・『SKULL SKATES NIGHT』
2026/1/31(土)SHIBUYA THE GAME
w/ COKEHEAD HIPSTERS,COCOBAT,DUB4REASON
・『モルタルレコード25thアニバーサリー公演
HUSKING BEE x ASPARAGUS x SATURDAY GOOD-BYES 3MAN SHOW!!』
2026年2月1日(日)熊谷HEAVEN'S ROCK VJ-1

