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2025.10.31
【磯部正文】広島〜高校時代編2〜
- BLOG
高校2年。フォークソング部在籍。
僕が通っていた広島皆実高校は、広島高等女学校を前身としていて、公立高校となり共学になってからも看護科が残っていた。
看護科だけ女子のみのクラス。
子供の多い時代だったので普通科11クラス(1クラス45人くらい)と看護科1クラス。ちなみに皆実のクラスの表記はH。Hと書いてホームと読む。
ので、
“お前何ホーム?”
“わし1ホーム”
“あ、そうなん。わし9ホームよぅ”
って感じで相手のクラスを確認。
さて、高2ともなると、弾き語りも少しだけ上達していた僕は、看護科の新1年生女子20人くらいに、放課後の部活でキャーキャー言われる日々を4月の1ヶ月だけ過ごし、5月以降は3.4人残ってくれた看護科1年女子に歌を聴いてもらったり、ギターを教えたりしていた。
僕がその頃歌いまくっていたのは、ほぼ長渕剛さんの曲。昔の歌い方と、当時丁度、歌い方が変わってきていた長渕さんの両方の歌い方を練習していた。今でもその頃に培ったものが、役に立っているように思います。
そんなある日、教室で同じクラスのMという男子が話しかけてきた。
「イソベー、お前ギター弾けるんじゃろー?わしバンドやっとんじゃけど、ちょっと手伝ってくれーん?」
「え?わしギター弾いとるけどフォークギターじゃし、下手じゃし。エレキギター持っとらんし弾いたこともないで」
「大丈夫よー。曲は簡単じゃけえ。すぐ弾けるようになると思うんじゃけどのう」
「そうなん?ていうかどんな感じのバンドなん?」
「んーー?わしら?わしらはねえ、ジャパコアのバンドなんよ」
「ジャパコア?」「何それ?」
「んーー?ジャパニーズハードコアよー」
なんやその言葉…。
僕の第一感想。
「わしんちにジャパコアのバンドのビデオあるけえ見に来てえやあ。参考になると思うけえ」
そんなMの家で見せてもらったVHSの映像は、当時ならではに粗く荒く。
「これがG.I.S.M.よー」
「これがDEATH SIDEよ」
「ほんでこれが鉄アレイよー」
小さなブラウン管の画面に映し出されたサウンドと、視覚に刺激しかないビジュアル、バンドのライブアクション。そして何より驚愕のボーカルスタイル。
北斗の拳の実写版というか、実ライブ版。
僕が最初に、Mにした質問は。
「なんでどのバンドのライブも、お客さんがみんな殴り合ってんの?」
「なんか分からんけど、これがジャパコアのライブなんよー」
こんな世界が存在しとったんだ、いや、あるんだ……。
なにかしら、音楽が中心な生活をする未来を描いていた17歳の僕が、
初めて知り、誘われたこの衝撃的なジャンルに対して、どうなっていったかはー。
また、次回に。
▲高校の文化祭に出演した時のバンドメンバー。ちなみに一番右が今回のブログに登場するMです。

