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【神奈川】エマニュエル・パユ with ルツェルン・フェスティバル室内管弦楽団

2025.12.01更新

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【神奈川】エマニュエル・パユ with ルツェルン・フェスティバル室内管弦楽団

自発性も豊かなアンサンブルと、指揮者なしで極めるコンチェルトの奥義

 2026年3月に日本ツアーを行なうルツェルン・フェスティバル室内管弦楽団。全国9都市で予定されたステージのうち、8回の公演でヴァイオリンの五嶋みどりが独奏者をつとめる。そして横浜みなとみらいホールでの1公演のみに登場するのが、フルート界のスーパースター、エマニュエル・パユだ。

パユ インタビューのようす

「彼らの前身となるルツェルン祝祭弦楽合奏団と、1989年にヴィヴァルディの協奏曲を演奏したのが、私にとってルツェルン音楽祭の初舞台でした。そこで指揮をしていたのが楽団の創設者ルドルフ・バウムガルトナーで、現在の芸術監督およびコンサートマスターのダニエル・ドッズは、その門下生。つまり直系の後継者ですね。優秀なソリストでもある彼が意欲的にレパートリーを広げ、編成も拡充しながら多彩な作品に取り組んでいます。彼が率いる、メンバーの自発性も豊かなアンサンブルと指揮者を置かずにコンチェルトを演奏するのはスリリングで、今から楽しみです!」
 プログラムの前半2曲で彼のソロが堪能できる。まずはブゾーニの「ディヴェルティメント」。なかなか演奏の機会に恵まれない作品だが、その真価を認める吹き手のひとりがパユでもある。

パユ インタビューのようす

「1921年にブゾーニ自身が指揮したベルリン・フィルの演奏会で初演された曲なので、私が取り上げる意味もあります(笑)。特徴をなすのはスタイルの多面性。弦楽器パートと管楽器パートの対話を主体に明朗なタッチで、オペラの導入部のような雰囲気で始まりながら、和声や旋律に次第にモダンな筆使いが忍び寄るのです。独奏フルートが受け持つ音形にもクラシカルな装いと先鋭的な書式が共存。エレジー風に転じた中間部を経て、タランテラ舞曲のリズムに乗って主部のモチーフが戻ってきます。それからはテクニカルな見せ場が、不思議な透明感を伴う響きと共に連なっていく。オーケストラとの掛け合いも複雑な作品なので、指揮者なしで演奏可能かどうか、私が演奏した録音や動画も参考にドッズと綿密に打ち合わせました」
 このブゾーニを体験した後で接することにより、続くモーツァルトのフルート協奏曲第1番でも新鮮な発見が得られる。それもパユの意図だ。

パユ インタビューのようす

「古典回帰の姿勢と未来を志向する語彙の両方を兼ね備えたブゾーニの音楽が、モーツァルトへの“開かれた扉”をおりなします。2曲そろって形式的には急-緩-急の構成で、その“急”の部分のパルスは脈動感がとても似通っていて、流れとしても自然です。そしてブゾーニにある種の劇場的な空気感が立ち込めているとすれば、モーツァルトはいわば“ミニ・オペラ”。独奏フルートが様々な登場人物と交わす対話さながらに、キャラクターを際立たせるのです。つい先頃、9月にパリでこの協奏曲第1番を演奏したときは、音楽が宿す遊び心やエモーショナルな感興をオーケストラと共に、許される限りの自由度で再現できたと実感しました。ルツェルン・フェスティバル室内管弦楽団とのステージにも、同じことが期待できると思います」

取材・文:木幡一誠
TOP:ⒸAnoush Abrar


(12/1更新)メッセージが到着いたしました♪



チラシ画像

エマニュエル・パユ with ルツェルン・フェスティバル室内管弦楽団

■出演
ルツェルン・フェスティバル室内管弦楽団
ダニエル・ドッズ(リーダー)
エマニュエル・パユ(フルート)

■曲目
ブゾーニ:フルートと管弦楽のためのディヴェルティメント 変ロ長調Op.52 K285
     (フルート:エマニュエル・パユ)
モーツァルト:フルート協奏曲第1番 ト長調K.313 
     (フルート:エマニュエル・パユ) 
ベートーヴェン:交響曲第3番 変ホ長調 Op.55《英雄》

日程
公演期間 公演時間 会場 料金 備考
公演期間
2026.03.22(日)
公演時間
開演 14:00
会場
横浜みなとみらいホール 大ホール (神奈川県)
料金
S席 18,000円 A席 15,000円 B席 12,000円
備考
受付
一般発売 受付期間:2025.09.05(金) 10:00~ 2026.03.21(土) 23:59 申込み
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