こんにちは!指揮者の坂入健司郎です。
今日は、皆様にぜひお越しいただきたい演奏会をご紹介いたします。
⚫︎ブルックナーの命日に捧げる、未完の傑作の本当の姿。
ブルックナーという作曲家をご存知でしょうか?ブラームスより9歳も年上となる1824年オーストリア・リンツ近郊の生まれ。オルガニストや音楽教師をして生活していましたが、ベートーヴェンとワーグナーに憧れて31歳から作曲を勉強しなおし、当時としては常識外れの大曲を次々と生み出します。ウィーンの音楽界でもなかなか認められない時期が続きましたが、次第に話題を呼び、後のマーラーやヒンデミットなどにも多大なる影響を与えた作曲家です。最後の作品「交響曲第9番」は第3楽章まで素晴らしい内容の音楽を作曲しましたが、フィナーレの第4楽章は亡くなる当日まで書き進められたものの遂に完成することはなく、72歳の生涯を閉じました。
来年は、そのブルックナーの生誕200周年となる記念の年。そのアニヴァーサリー・イヤーを控えた今年の10月11日、奇しくもブルックナーの命日にあたる日に、彼の最後にして未完の大作「交響曲第9番」の補筆完成版世界初演の指揮することになりました。終楽章の補筆は、若くして国際ブルックナー協会会員となり、日本におけるブルックナー研究の気鋭ともいえる石原 勇太郎さんにお願いしました。ブルックナーが描いた超大作のフィナーレが初めて鳴り響きます!
共演するオーケストラは、今年ラフマニノフ「交響的舞曲」で初共演し、発売されたCDはレコード芸術最終号にて特選盤に選出された、タクティカートオーケストラとの再共演が実現します。
ブルックナーが交響曲第9番の献辞として譜面に書き遺した言葉は「愛する神に(Dem lieben Gott)」。演奏会前半にはブルックナーが終生大切に作曲し続けた宗教曲の傑作を合唱でお楽しみいただきます。合唱を指揮していただくのは、慶應義塾大学を卒業後、東京藝術大学音楽学部指揮科に入学するやいなや、今年ブルックナーを指揮して第8回若い指揮者のための合唱指揮コンクールにて第3位入賞された新進気鋭の指揮者、伊藤 心さん。彼女が率いるCoro Oraciónが合唱を務めます。
⚫︎ブルックナー生誕200周年に向けて。
私にとって、ブルックナーは最も愛する作曲家です。指揮者を目指すようになったのも、ブルックナーの交響曲を聴いたことがきっかけ。来年のブルックナー生誕200周年に向けて、各地でブルックナーの交響曲を指揮するプロジェクトを計画しております。今回の演奏会は、その第一弾となり、大変思いのこもった企画です。
ブルックナーの交響曲は、(特に日本においては)長年、「年を取ってからでないと楽しめない高尚なもの...」とか、「ブルックナーの演奏会となると男性トイレが大行列になる...」などと言われてきました。正直なところ、老若男女問わず、そして初心者でも、楽しめるものなのです。実際、私も小学生でブルックナーの魅力に取り憑かれましたから。笑
このブルックナー・プロジェクトでは、そうした"既成概念"を解き放つような機会になればと意気込んでおります。
そして、石原 勇太郎さん、伊藤 心さん、そしてタクティカートオーケストラという、私よりも若手の才能とともにブルックナーのプロジェクトを始められることに大いなる期待でいっぱいです。どうか皆様にプロジェクトの船出を見届けていただけたら幸甚です。
チケットは、現在チケットぴあで独占先行を実施中です。※そして、座席選択可能です!
是非、お早めにお気に入りの特等席でご堪能ください。ご来場、心よりお待ちいたしております!!
『タクティカートオーケストラ × 坂入健司郎 ブルックナー交響曲特別演奏会』
2023年10月11日(水)19:00開演
東京芸術劇場 コンサートホール
演奏:タクティカートオーケストラ
指揮:坂入 健司郎/伊藤 心(※)
<曲目>
Os Justi(正しい者の口は知恵を語り)WAB 30(※)
Locus iste(この場所は神によって創られた)WAB 23(※)
ブルックナー:交響曲第9番(石原 勇太郎による新補筆完成版)WAB 109
↓チケットはこちらからお申込できます↓
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2325200
今日は、「タクティカートオーケストラ × 坂入健司郎 ブルックナー交響曲特別演奏会」についてご紹介しました。
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坂入健司郎Twitter:https://twitter.com/siegfried512