【坂入健司郎コラム】私を夢中にさせるアーティストが待望の来日!

2023.05.25

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サヴァール

こんにちは!指揮者の坂入健司郎です。

今日は、前回のコラム(海外オーケストラの来日公演について)でもチラッとご紹介した、私が尊敬してやまないアーティスト、ジョルディ・サヴァールの魅力について取り上げます!

⚫古楽復興の最初期から活躍し続ける古楽界の巨匠!

ジョルディ・サヴァールは1941年生まれなので、今年82歳。
彼はスペイン・バルセロナ音楽院を卒業後、1965年に独学でヴィオラ・ダ・ガンバ(※楽器を脚で支えながらチェロのように弾くヴァイオリン属よりも歴史深い楽器)と古楽を学び始め、1968年にはスコラ・カントルム(スイス・バーゼル)で高度な古楽研究を開始しました。
アーノンクールやレオンハルトによって1950年代から盛んになった「古楽復興」の最初期から現在まで活動し続けている数少ない巨匠といえるでしょう。
サヴァールは、1974年に小規模の古楽アンサンブル、エスペリオン XXIを結成し、1987年には声楽アンサンブルのラ・カペラ・レイアル・デ・カタルーニャを結成。
さらには大規模な古楽オーケストラ、ル・コンセール・デ・ナシオンを1989年に結成し、今でもこの3つの団体と精力的に活動中です。
ル・コンセール・デ・ナシオンとは、最近ではバロック音楽のみならずベートーヴェンの交響曲全曲や、シューベルトの交響曲まで演奏するほど意欲的なレパートリーでヨーロッパの観客を魅了し続けております。

同時にサヴァールは、彼の故郷であるカタルーニャ地方の古楽復興に尽力したことはもちろんのこと、世界各国のいにしえの音楽を積極的に演奏しています。ペルシャの音楽、アルメニアの音楽、そして日本の音楽まで…!たくさんの録音を残しており、音楽配信サービス(SpotifyやApple Musicなど)でも簡単に聴くことができます。ぜひ聴いてみてください!

⚫たちのぼる艶めかしさ、非現実の世界。

サヴァールの魅力は、なんといっても彼からたちのぼる艶めかしいほどのオーラ。
彼のヴィオラ・ダ・ガンバを初めて聴いたとき、「永遠にこの音に包まれていたい」と私は思い、日本のみならずスペインやフランスにまで追っかけるまでファンになってしまいました。
そんなサヴァールの素敵な雰囲気を味わえる動画をひとつご紹介。

https://youtu.be/oyPZaEyY4as

直訳すれば、「バロック: 音楽の旅」というこの動画。
バロック音楽の魅力を彼の演奏で5時間も浸ることができます。
演奏会場や演奏家の雰囲気から、非日常の世界に誘われていく感じがしませんか…?私はこの虜になり続けています(笑)

そんなサヴァールが今年、エスペリオン XXIと共に念願の来日を果たします!
個人的には是が非でも聴きに行っていただきたい、体験していただきたいコンサートです。
すでに10月28日の神奈川県立音楽堂での公演はぴあでチケット発売中。
そのほか、京都でも三鷹でも公演があります。どうかサヴァールの世界をひとりでも多くの方々に体験していただけますように。

https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2314273

今日は、ジョルディ・サヴァールの魅力についてご紹介しました。
クラシック音楽についての素朴な疑問や気になることは、日々、皆様からのご質問を受け付けております。
ハッシュタグ「#マエストロケンシロウに聞く」をつけてTwitterでお気軽に呟いてみてください!
坂入健司郎Twitter:https://twitter.com/siegfried512

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