【坂入健司郎 コラム】今年は海外のオーケストラを聴こう!

2023.05.12

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メスト(c)Wiener Philharmoniker / Dieter Nagl

こんにちは!指揮者の坂入健司郎です。

先日、東京オペラシティにてベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団の来日公演を聴いてきました。ドイツのベルリンでもたくさん聴いてきたベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団の美しい響きを久々に日本で浴びることができて、感慨ひとしおでした。
コロナ禍からも抜け出しつつある今年は、海外から豪華なオーケストラやアーティストが続々来日します!そこで今日は、今年注目の来日オーケストラをご紹介したいと思います!

世界最高峰のオーケストラが続々来日!


今年は、数年ぶりにコロナ禍による行動制限や入国制限が解除されることとなり、世界最高峰のオーケストラが日本に集結します。世界最高峰のオーケストラといえば、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団といったオーケストラが挙げられますが……その3つのオーケストラすべてが今年、日本に来てくれます!
とりわけ、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団は新しく首席指揮者に任命されたキリル・ペトレンコが就任後初来日。R.シュトラウスとブラームスをメインに凝縮したドイツ音楽を堪能できるプログラムを披露します。なんと4年ぶりの来日公演。大注目ですね。
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団は、今年のニューイヤーコンサートを素晴らしい指揮を執ったフランツ・ウェルザー=メストと来日。こちらもR.シュトラウスとブラームス、そしてプロコフィエフとドヴォルザークと多彩なプログラムで聴かせます。
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団は、NHK交響楽団の首席指揮者に就任し日本でもおなじみのファビオ・ルイージが指揮を務めます。ドヴォルザーク「新世界より」、チャイコフスキー交響曲第5番という超・名曲プログラムで名門オーケストラの美しい響きを堪能できることでしょう。

【極私的オススメ】古楽界のレジェンドたちも日本に集結!


豪華極まる海外オーケストラ、アーティストの来日公演の中で、個人的に大注目なのが古楽系アンサンブルや指揮者の来日です!古楽というのは古典派音楽よりも古い時代の西洋音楽のことを指しますが、最近はその当時演奏していた楽器も再現したり、アーティストによってさまざまなユニークな響きが披露されています。私は、ヨーロッパに旅行に出かけたら、まず古楽アンサンブルを聴きに行くほど大好きです。そんな古楽界のレジェンドたちも今年は久しぶりに日本に集結します!
11月26日、ウィリアム・クリスティ指揮するレザール・フロリサンが東京オペラシティにてバッハの《ヨハネ受難曲》を演奏します。ウィリアム・クリスティはフランスの古楽を再興させた立役者ですが、今回はバッハを披露。素晴らしいバッハ演奏を録音等ですでに発表しているので、大注目と言えるでしょう。そして、もう一人はジョルディ・サヴァール。スペインの古楽復興の第一人者ですが、彼の弾くヴィオラ・ダ・ガンバは是非一度体験してほしいです。妖艶という言葉がこれほど似合う素敵な芸術家は未だかつて出会ったことがありません。10月28日、神奈川県立音楽堂などで開催します。是非聴いてみてください!

今日は、今年注目の来日オーケストラについてご紹介しました。
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坂入健司郎Twitterhttps://twitter.com/siegfried512

写真クレジット:Wiener Philharmoniker / Dieter Nagl

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