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カーチュン・ウォンが語るブルックナー第8番──日本フィル第787回東京定期演奏会

2026.11.06

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日本フィル 第787回東京定期演奏会 チラシ

2027年1月、日本フィルハーモニー交響楽団の東京定期演奏会で、首席指揮者カーチュン・ウォンがブルックナーの交響曲第8番を指揮する。躍進著しいウォンがこの作曲家を学び始めたのは、約15年前。指揮者のクルト・マズア、ベルナルト・ハイティンクに教えを受けた。

「マスタークラスでは、私たち若い指揮者はブルックナーを神聖な作曲家だと考えがちでした。でも、ハイティンクが教えてくれたのは、とても人間的なブルックナーです。彼は信仰に篤い一方、人間として多くの欠点もありました。神の完全さより、人間らしい不完全さや脆さに心を動かされます。マズアから学んだ第4番も、寺院や教会のように捉えるのではなく、ロマンに満ちた旅として向き合う音楽でした」

ブルックナーの構成については、意外にも寿司の食べ方にたとえて説明する。

「単純化したり、軽く扱ったりするつもりはありません。とても深遠な音楽です。ただ、若い頃から、その構成は寿司の食べ方に似ていると思っていました。赤身のまぐろをいただき、こはだ、かんぴょう巻へ進む。もう少しまぐろが欲しくなって、また二貫頼む。好きなものを繰り返しながら全体を組み立てるのです」

ブルックナーの音楽でも、一つの部分が数分間続き、別の部分へ移り、やがて戻ってくる。それぞれが柱となり、反復と組み合わせで大聖堂のような建築を形づくる。

「大トロばかりでは、私のようなおじさんには脂が多すぎますから(笑)。音楽にも全体のバランスが必要です」

楽譜や文献の研究には何百時間も費やし、同時に素朴な感覚も大切にする。

「人生の経験を重ねて同じ交響曲に戻ると、まるで新しい作品のように見えるものです」

ウォンは、第8番を管弦楽による「言葉のないオペラ」とたとえた。関係を深める日本フィルへの期待はどうか。

「解釈の好みは人それぞれでしょう。でも日本フィルの演奏には、リハーサルが始まる前から100パーセントの信頼を寄せています」

取材・文:平岡拓也





日本フィルハーモニー交響楽団
第787回東京定期演奏会

■チケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2627625

■日程
1月29日(金) 19:00開演 東京芸術劇場 コンサートホール
1月30日(土) 14:00開演 東京芸術劇場 コンサートホール

■出演
指揮:カーチュン・ウォン[首席指揮者]

■曲目
ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調 WAB108(ノヴァーク版)

 
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