8月3日(月)の東京オペラシティで「成田達輝&萩原麻未 名曲コンサート」と題した、ヴァイオリンとピアノの名曲を集めたコンサートが開催される。
それぞれの楽器の若き名手たちが奏でる、聴きやすいヴァイオリン名曲集。老若男女を問わず、どんな方でも間違いなく楽しめる公演だ。さらに、この公演独自のさまざまな興味深いポイントがあり、知っておくとより深入りして聴けるはず。
まず、演奏するふたりについて。ピアノの萩原麻未は、2010年のジュネーヴ国際コンクール優勝。ヴァイオリンの成田達輝は同年のロン=ティボーと2012年のエリザベート王妃国際コンクール第2位。コンクール歴だけで判断するということではないが、両者とも10代や20代前半という若さでの快挙で、実際にその後も同世代の先頭を走るトップアーティストとして活躍を続けている。萩原は早くから名門オーケストラや名奏者との共演を重ねていて、彼女の弾くピアノの香りや色彩が感じられるような響きは無二のもの。成田もあらゆる表現で際立ったカラーをもち、もともと天才的奏者だったが、最近の進化と深化ぶりはすさまじく、真に聴き逃せないアーティストとなっている。
さらに、彼らは公私ともにパートナーであり、名手たちの夫婦によるデュオとしても話題を集めている。両者ともこどもが生まれてから「生活も音楽も大きく変わった」と強調しており、音楽面でも変化が現れている。演奏に表現の幅や優しさが加わったばかりか、近年の彼らのデュオ公演は初心者や親子連れなど、さまざまな人が接しやすいプログラムが増えている。
その流れで開催される8月の「名曲コンサート」には映画の曲などが入り、彼らも「家族揃って聴きに来てもらえたら」とコメントしている。2部構成で、第1部はクラシック曲が中心で、「愛の挨拶(エルガー)」、「月の光(ドビュッシー)」など誰もが知る優しいメロディの小品に、底抜けにゴキゲンな「バンジョーとフィドル(クロール)」や味わい深い「ドヴォルザークの主題によるスラヴ幻想曲(クライスラー)」が置かれる。後者はドヴォルザークの名歌曲「母の教え給いし歌」の旋律があり、親となった彼らの心境も窺えそうだ。さらに、作曲にも取り組んでいる成田による「八木節変奏曲(成田達輝)」も楽しく熱い時間になるはず。そして、ヴァイオリンの超絶技巧とロマの濃厚な歌心を聴かせる「チャルダッシュ(モンティ)」「ツィゴイネルワイゼン(サラサーテ)」の2大名曲が第1部を濃密に締めくくる。
第2部は肩の力を抜いて聴ける映画などの音楽も。まず「二人でお茶を(ユーマンス)」で洒落た時間を。そして映画「ニューシネマパラダイス(モリコーネ)」の泣けるメロディに、映画『ハウルの動く城』より「人生のメリーゴーランド(久石譲)」が続き、ヴァイオリンのノスタルジックな魅力も聴かせる。そして一転して、「ヤンキー・ドゥードゥル(日本では「アルプス一万尺」としても知られる)」のメロディでド派手に盛り上がる「アメリカの思い出(ヴュータン)」で会場を沸かせる。最後は「屋根の上の牡牛(ミヨー)」という曲で、ブラジルのメロディの数々が、フランスのミヨーの個性的なハーモニーにのって次々に現れ、ラテンの魅力全開の楽しい場面が連続する一編。二人の技巧と表現力、なにより「遊び心」がこの上なく発揮されるはず。
音楽の喜びと深みを追求している成田と萩原による、絶妙にひねりのきいた、ユニークな選曲の光る名曲集。ぜひ多くの人に会場で体感してほしい。
成田達輝&萩原麻未 名曲コンサート
■チケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2665681
8月3日(月) 13:30
東京オペラシティ コンサートホール
トップ写真:©Marco Borggreve

