オペラに歌曲、ポップスにロックまで幅広く歌いこなすテノール歌手の錦織健。幅広いレパートリーを自在に歌いこなす歌唱力と表現力、そして軽妙なトークによって常に第一線で活躍する彼がデビュー40周年を迎え、記念のリサイタルを行う。今回のプログラムにも、オペラに日本歌曲、ロックまで幅広い楽曲が並んでいる。
「『ロックtoバロック』というコンセプトで様々な楽曲を歌ってきましたし、大切にしてきました。クラシックはもちろん私の中で基礎となるものですが、やはり多くの方に歌を届けるためにはあらゆるジャンルを歌うことが求められると思うのです」
近年はジャンルを超えたレパートリーを持つオペラ歌手は増えているが、錦織はそのパイオニア的存在であり、かつジャンルごとに違う発声で魅せているという点でも一線を画している。
「どんな楽曲でも自分の発声を貫いて歌う方もいらっしゃいますが、私はジャンルごとに発声そのものから変えて歌っています。もちろん切り替えは大変なのですが、古い時代のものから歌っていくと大丈夫なのです。たとえばヘンデルからロッシーニ、プッチーニ、そしてQueen…というようにやっていけば負担がかからず歌えるのです」
さらに今回は1996年に放映されたアニメ『ハーメルンのバイオリン弾き』の第二期オープニング曲であり、アニメと共に話題を呼んだ田中公平による《未完成協奏曲》も歌唱される。
「アニメソングでありながらフルオーケストラのバックで歌わせていただくという、とても豪華な楽曲でした。ただ残念ながらレコーディング以来なかなか歌う機会がなく…。今回のリサイタルにあたってぜひ歌わせていただきたいなと。そこで作曲者の田中先生にご相談したところご快諾いただき、今回につながりました。今回はもちろんオーケストラではなく、ピアニストの多田聡子さんが実際のスコアも見ながら編曲してくださったバージョンです。オーケストラに負けない仕上がりになっているので、ぜひお楽しみにしていてください」
日本歌曲も錦織の重要なレパートリーだ。今回も滝廉太郎の《荒城の月》が入っているが、この曲は2000年と2003年の「紅白歌合戦」での《荒城の月》の歌唱が印象に残っている方も多いだろう。
「日本歌曲はこれからも大切に歌っていきたいジャンルですね。今回は大切にしている《荒城の月》はもちろんですが、アニバーサリーイヤーを迎えた武満徹の作品も歌わせていただきます」
今回のリサイタルはこれまでの錦織の活動が凝縮した内容になっているものであり、今後のさらなる活躍を予感させる。
「毎回のリサイタルがマーケットリサーチのようになっています。お客様の表情や反応が私の選曲における重要な指針なのです。今回はこれまでの公演でとても人気の高かった曲が中心になっていますので、いままでよく聴いてくださっていた方はもちろん、今回新たにお越しくださるみなさまにとってもお楽しみいただけるものになっていると思います。多くの方にお目にかかれますことを私自身楽しみにしております」
取材・文:長井進之介
写真:©JUNICHIRO MATSUO
錦織健 テノール・リサイタル

10月8日(木) 13:30開演
東京オペラシティ コンサートホール (東京都)
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2603535
8月23日(日) 14:00開演
麻生文化センター 川崎市麻生市民館 (神奈川県)
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2548740
9月2日(水) 18:30開演
トーサイクラシックホール岩手 中ホール (岩手県)
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2610035
9月21日(月・祝) 13:30開演
札幌コンサートホールKitara 大ホール (北海道)
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2617781
11月3日(火・祝) 14:00開演
クラギ文化ホール (三重県)
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2618957
その他の公演はこちらに順次掲載予定

