邦人とドイツの作曲家それぞれの世界観をたっぷりと。ドイツ人指揮者リープライヒが日本フィルに登場

2026.04.13

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日本フィル 第780回東京定期演奏会 チラシ

ここのところ毎年、日本フィルに登場し、刺激的なプログラムを聴かせてくれるドイツ出身の指揮者、アレクサンダー・リープライヒ。今年1月には台湾市交響楽団の音楽監督に就任したばかりだ。また過去には韓国・統営の音楽祭の音楽監督を務めるなど、親アジア派としても知られ、ヨーロッパでも細川俊夫や武満徹など日本人作曲家を積極的に手がけてきた。5月の定期演奏会では、武満徹『群島S.』と三善晃のチェロ協奏曲『谺(こだま)つり星』を取り上げる。

「武満徹『群島S.』は21人の奏者を舞台上に〈群島/archipelago〉のように配置するものですが、私には、それが北海道から本州、四国、九州、沖縄へと南下していく一連の島々のように思われるのです。そして、そこに台湾も含めてもよいかもしれません。すなわち、これらの「群島」は同じ文化の中に存在し、音楽の中で互いに関係性を築いている。これはとてもすばらしい発想だと感じます」

他方、三善晃のチェロ協奏曲「谺(こだま)つり星」は、サントリーホールの10周年を記念して書かれた作品。「ホール40周年の年に本作を演奏できることをたいへん光栄に思っています」と語る。2年前に同じく日本フィルと三善の『魁響の譜』を指揮したリープライヒは、その音楽にフランス的なエスプリを感じると語る。ソロに室内楽に充実した活動を行なっている注目のチェリスト、佐藤晴真をソロに迎え、熱演が繰り広げられるだろう。

そしてプログラムの両端に置かれるハイドンとリヒャルト・シュトラウスは、ミュンヘン在住のリープライヒがこよなく愛する、南ドイツ圏を代表する2人の作曲家。

「交響曲第44番《悲しみ》はハイドンのもっとも “クレイジー”な曲のひとつで、疾風怒濤的な激しさをもち、きわめて自由な発想で書かれています。短調ですが、悲しい曲というよりも、悲しみを祝福するものだといえます。その点は、若きシュトラウスの力作《死と変容》にも共通していて、どちらもけっして暗い曲ではなく、むしろ崇高さを感じるでしょう」

その引き締まった緻密な指揮でそれぞれの作曲家の世界観をたっぷりと描ききってくれることだろう。


文・後藤菜穂子





日本フィルハーモニー交響楽団

第780回東京定期演奏会

2026年5月22日(金) 19:00開演(18:20開場)
2026年5月23日(土) 14:00開演(13:10開場)
サントリーホール 大ホール

◆チケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2601223

◆出演
指揮:アレクサンダー・リープライヒ
チェロ:佐藤晴真

◆曲目
ハイドン:交響曲第44番《悲しみ》ホ短調 Hob.I:44
三善晃:谺つり星〈チェロ協奏曲第2番〉
武満徹:群島 S.
R.シュトラウス:交響詩《死と変容》TrV158, op.24

プレトーク「本日の聴きどころ」5/22(金)18:30~、5/23(土)13:20~

 
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