日本フィル第779回東京定期演奏会〜2026年の創立70周年記念シーズン幕開けを担う首席指揮者カーチュン・ウォン

2026.02.24

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日本フィル 第779回東京定期演奏会 チラシ

「マーラーのレタッチ(補筆)」は日本フィルの未来を見据えた冒険です
〜2026年の創立70周年記念シーズン幕開けを担う首席指揮者カーチュン・ウォン

2026年は日本フィルハーモニー交響楽団の創立70周年に当たる。記念シーズンの幕開け、第779回定期演奏会を担うのは首席指揮者カーチュン・ウォン。曲目は季節外れ?のベートーヴェン「第九」(交響曲第9番)、しかもマーラーが管楽器を増強し、大編成の合唱(約200人)を伴う補筆版という“レア物”だ。ウォンが理由を説明する。

「日本フィルにとって、『第九』は最も演奏回数の多い楽曲でしょう。オーケストラにとっても観客にとっても、今や非常に良く知られた名曲ですが、初演(1824年)当時は交響曲に合唱を取り入れ、カンタータやオペラに近い要素を持たせるなど、極めてラディカル(過激)な作品でした。日本フィルは古き良き伝統を重んじながらも、未来を見据えたオーケストラです。これまで私たちは第7、8、10番以外のマーラーの交響曲をともに演奏してきましたので、ベートーヴェンの『第九』にマーラー版を採用するのも、その自然な延長線上にある探求です」

サントリーホールには、どのようなサウンドが鳴り響くのだろう。

「これは再作曲や編曲ではなく、あくまでレタッチ(修正・補筆)です。1800年代後半から1900年代前半にかけてトスカニーニやワインガルトナー、さらにはカラヤンの時代に至るまで、指揮者がスコアに手を入れるのはごく自然な作業でした。マーラーは指揮者でもあり、ホルンを8本にするなど管楽器を倍増させ、ベートーヴェンの時代にはなかったチューバを加えています。もしベートーヴェンの存命中にチューバがあれば、きっと使っていたはずです」

日本フィルとの今後の「夢」も語ってもらった。

「1つは創立指揮者、渡邉曉雄先生の原点に立ち返り『日本フィル作曲家アカデミー』を設立、才能ある日本の若い世代の作曲家を助け、彼らの作品を積極的に演奏していく夢。もう1つは日本フィルとロンドンのプロムス(BBCプロムナードコンサート)に乗り込み、マーラーを大真面目に演奏した後に全員が法被をはおり、外山雄三の『管弦楽のためのラプソディ』で大喝采を浴びる夢です」


取材&執筆=池田卓夫 音楽ジャーナリスト@いけたく本舗®︎





日本フィルハーモニー交響楽団

第779回東京定期演奏会

■チケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2601214

■日程
2026年4月10日(金) 19:00開演
2026年4月11日(土) 14:00開演(※予定枚数終了)

■出演
指揮:カーチュン・ウォン[首席指揮者] 
ソプラノ:森谷真理
メゾソプラノ:林美智子
テノール:村上公太 
バリトン:大西宇宙
合唱:晋友会合唱団

■曲目
ベートーヴェン(マーラー編曲):交響曲第9番《合唱》 ニ短調 op.125

 
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