こんにちは。指揮者の坂入健司郎です。
先週は遅めの夏休みをとっておりました!釣りをしたり、ドライブをしたり、美味しいものを食べたり、、たっぷりと自然を満喫することができました。
そんな中、とてもショックな訃報が二つ届きました。この一週間でドイツの名指揮者を二人も失うことなるとは…彼らが遺した名演奏と共に彼らの功績を振り返ってみようと思います。
● ドイツの巨匠、クリストフ・フォン・ドホナーニが逝去
ドイツを代表する巨匠指揮者である、クリストフ・フォン・ドホナーニ氏が、2025年9月6日(土)に95歳で逝去されました。
第二次世界大戦中に反ナチ運動に粉骨砕身、惜しくも処刑された法律家ハンス・フォン・ドホナーニを父に持ち、祖父はハンガリーの作曲家兼ピアニストであったエルンスト・フォン・ドホナーニ。幼い頃から音楽的な環境で育ち、ミュンヘン音楽大学で学んだ後、祖父のもとで作曲を学ぶためアメリカ・フロリダ州立大学へ留学して研鑽を積みました。
オペラハウスでは、フランクフルト歌劇場やハンブルク州立歌劇場の音楽総監督を務め、オーケストラではケルン放送交響楽団、クリーヴランド管弦楽団、フィルハーモニア管弦楽団、北ドイツ放送交響楽団といった名だたるオーケストラのシェフを務めました。
ドホナーニの指揮の特徴は情報量多く、構築感あふれる音楽作りにあるといえましょう。冷静かつ客観的に楽譜を読み解き、作品の真髄を浮かび上がらせる唯一無二の巨匠でした。
最後のポストとなったハンブルクのオーケストラ、北ドイツ放送交響楽団と共に披露した、ハンブルク生まれの作曲家・ブラームスの交響曲第3番の名演奏をお聴きいただきましょう。心よりご冥福をお祈りいたします。
https://youtu.be/FVE0KiozZuI
●ドイツの鬼才、ガブリエル・フェルツが54歳の若さで逝去
30代から積極的にレコーディングを行い50歳を目前にはマーラー交響曲全曲をリリース、これまでシュトゥットガルト・フィルハーモニーの首席指揮者、ドルトムント市の音楽監督、キール市立劇場の音楽総監督を歴任したガブリエル・フェルツが8月29日、エッセン大学病院で急逝しました。54歳という若さでした。
レコーディングもさることながら、オペラハウスでの手腕も目を見張る活躍ぶりで、最近ではドルトムント歌劇場とペーター・コンヴィチュニー演出によるワーグナーの「ニーベルングの指環」を指揮していた最中での突然の訃報でした。これからもさらなる飛躍を期待されていたマエストロ。ショックを隠せません。
シュトゥットガルト・フィルハーモニーとのレスピーギ作曲「シバの女王ベルキス」の名演奏をご覧いただきましょう。心よりご冥福をお祈りいたします。
https://youtu.be/MlE7sSpEFQU
今日は、ドイツの名指揮者の訃報をお伝えしました。
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