【坂入健司郎コラム】7月20日は、マーラーの世界にどっぷりと浸かろう。

2025.07.10

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ユヴェントス

こんにちは!指揮者の坂入健司郎です。

いま、九州交響楽団のみなさまと演奏会のため、福岡に三週間滞在しています。九州は先々週から梅雨明けをしていて、すっかり夏の天気です。皆様、熱中症等には十分お気を付けつつ、ぜひ夏を満喫してください!
今日は、7月7日に165歳の誕生日を迎えた、グスタフ・マーラーの演奏会をご紹介します。

● 〜poco a poco〜会員限定のお得な割引販売を実施!

アンバサダーに就任して以来初(!!)、私が出演する演奏会を、ぴあクラシック公式サイト〜poco a poco〜会員のみなさまのために、お得な割引販売を実施できることになりました!
マーラーの最高傑作と名高い交響曲第5番と気鋭のバリトン・黒田祐貴氏を迎えたマーラーの「さすらう若人の歌」、そして東京ユヴェントス・フィルハーモニーが委嘱し、世界初演となる近藤礼隆の「祝典のためのファンファーレ」を披露する盛りだくさんな演奏会を、なんと2,000円で聴くことが出来ます!

詳しくはこちらのURLをご覧ください!
→ https://fan.pia.jp/piaclafan/ticket/detail/580

●CDを10種リリース!東京ユヴェントス・フィルハーモニーについて

私の「盟友」と言っても差し支えない、東京ユヴェントス・フィルハーモニーは、これまで10種ものCDをリリースし、さまざまな日本初演や世界初演も手掛け、話題を集めているオーケストラです。
とりわけ2018年にはコンサートマスターに青木尚佳氏(現:ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団コンサートマスター)を迎えて、マーラーの交響曲第8番「千人の交響曲」を演奏。その模様を収録したCDは、海外のレビューサイト「OPERA TODAY」においても絶賛されました。

●マーラー交響曲第5番について

19世紀末〜20世紀初頭を代表する作曲家、グスタフ・マーラーは、ウィーン国立歌劇場やニューヨーク・フィルハーモニック等を率いた世界的な指揮者でした。作曲に費やす時間は、シーズンオフの夏休みに取り組むほか許されなかったのです。1901年11月、マーラーは19歳年下のアルマ・シンドラーに恋に落ち、1902年3月に結婚します。すでにアルマは19世紀末のウィーンの芸術家たちを虜にしたファム・ファタール(「運命の女性」とも訳されます)でありました。
そんなアルマを射止めたマーラーは、まさに幸せの絶頂だったことでしょう。初めてアルマと共に過ごす休暇となった 1902年の夏休み。オーストリアの避暑地、マイアーニックの別荘で作曲した交響曲が、彼の最高傑作と名高い交響曲第5番です。

しかし、この交響曲第5番は、幸せの絶頂と正反対といっても過言ではない、『葬送行進曲』から幕を開けるのです。弔いの後の第2楽章は「生きる苦しみ」を描き、最後に一瞬の救いを見せて曲を終えます。 第3楽章はウィーン風のワルツが編み込まれた長大なスケルツォ。そして第4楽章で、ようやく妻への愛の告白が始まります。マーラーが自身の交響曲の中で唯一書き残した『恋文』のような音楽と言えるでしょう。この第4楽章「アダージェット」は映画『ヴェニスに死す』でも使われたことで、爛熟した世紀末芸術を代表する作品となりました。第5楽章は、前楽章における彼の私的感情の吐露を「照れ隠し」するかのようにハイドンの交響曲やモーツァルトのオペラのエンディングのようにたくさんの伏線回収をして駆け抜けるように締めくくります。

是非ともこのマーラー交響曲第5番を会場で体験してみてください!
皆様とお会いできることをとても楽しみにしております!

チケット→ https://fan.pia.jp/piaclafan/ticket/detail/580


今日は、『7月20日は、マーラーの世界にどっぷりと浸かろう。』というタイトルでご紹介しました。
クラシック音楽についての素朴な疑問や気になることは、日々、皆様からのご質問を受け付けております。ハッシュタグ「#マエストロケンシロウに聞く」をつけてXでお気軽に呟いてみてください!

坂入健司郎 公式X :https://twitter.com/siegfried512

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