《ジュピター》で大人気、あの曲のスペクタクル・サウンドを全身で浴びる!
日本フィルの7月東京定期では、ホルスト作曲の《惑星》をお愉しみいただきます。火星、金星、水星、木星、土星、天王星、海王星と、太陽系の7つの惑星を、それぞれ占星術的なイメージをふくらませて(!)大編成オーケストラで描いたこの組曲、やはり実演で聴くと高揚感もひとしおです。
指揮は、おなじみのマエストロ・広上淳一さん。
「みんなが知ってる《ジュピター》も、もう一度初心にかえってつくりたいと思います。全てクリーニングして、大事な芯の部分が浮き出るようにしたいし、《土星》なんて渋い曲にもスポットを当てたいですね」
その《土星》には、占星術での性格づけから〈老年をもたらす者〉という副題がついていますが、自分が歳を重ねてみると、曲の持つ渋さの深い中身がより聴こえてきたりしますね。
「それはあると思う!いつまでも新鮮な発見がある作品ですし、そういうところをぜひ感じ取っていただければいいなと。また、最後の《海王星》が静かに終わってゆく感じが宇宙の神秘を表しているし、地球上で我々人間が愚かなことを繰り返している、それをかえりみることも出来る」
その《海王星~神秘主義者》では、静かな女声合唱が歌詞のないヴォカリーズで重なりあうのが、またとても美しいですね。
「宇宙的な響きを合唱でつくらなければなりません。今回は舞台後方、天から声が降って来るように、幻想的に歌ってもらいます」
コンサート前半では、世界的に活躍されている現代作曲家の佐藤聰明さんが書かれた新作〈バス・クラリネット協奏曲〉が世界初演されるのも愉しみです。
「まさに〈祈り〉のような音楽です。森羅万象、地球上に生きとし生けるもの全ての、魂の祈りを感じる。いま、ウクライナやガザで行われている戦争、人の命を踏みにじる為政者たち……理不尽や不条理のエネルギーが力を増してまかり通る現代に、この音楽を捧げたいですね」
ききて:山野雄大
日本フィルハーモニー交響楽団
第772回東京定期演奏会
■チケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2559978
2025年7月11日(金) 19:00開演(18:20開場)
2025年7月12日(土) 14:00開演(13:10開場)
サントリーホール 大ホール
◆出演
指揮:広上 淳一[フレンド・オブ・JPO(芸術顧問)]
バス・クラリネット:フランス・ムソー
女声合唱:東京音楽大学
◆曲目
佐藤聰明:バス・クラリネット協奏曲《ファン・ゴッホへのオマージュ》[世界初演]
ホルスト:組曲《惑星》 op.32