【坂入健司郎コラム】芥川也寸志生誕100周年を寿ぐ

2025.03.12

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新響

こんにちは。指揮者の坂入健司郎です。花粉がピークです。ひどい花粉症の私は、マスクと目薬なしには外を歩けない季節となりました…。みなさまは花粉症、大丈夫でしょうか?
今日は、今年生誕100周年を迎える芥川也寸志先生についてご紹介したいと思います!

●戦後日本の音楽界を牽引した芥川也寸志の功績

今年は、作曲家であり指揮者としても活躍された芥川也寸志先生の生誕100周年にあたります。文豪・芥川龍之介氏を父に持ち、1947年に東京音楽学校を首席で卒業。《交響管絃楽のための前奏曲》や《エローラ交響曲》などの管弦楽曲の傑作を残す一方、多数のテレビ番組に出演するほか、映画『八甲田山』やNHKドラマ『赤穂浪士』、『武蔵坊弁慶』などの多くのテレビ・ラジオ番組のテーマ曲を生み出した、戦後日本の音楽界を牽引した作曲家です。

芥川氏は、「音楽はみんなのもの」と生前語っていた通り、音楽を社会に根付かせることに心血を注ぎました。1956年にはアマチュア・オーケストラの新交響楽団を結成。「代償を求めず、ただひたすら音楽を愛し、それに没入していく心、それがアマチュアの中身であり、魂」との言葉を残しているように、終生情熱を注いでオーケストラを育ていきました。芥川氏の尽力により、新交響楽団は日本を代表するオーケストラとなり、日本のアマチュア・オーケストラのコミュニティは世界を代表する大きな環になっていったのです。

4月19日 サントリーホールにて芥川也寸志生誕100周年記念演奏会を開催!

4月19日、芥川也寸志先生の生誕100周年を祝し、サントリーホールにて彼が結成した新交響楽団とともに記念演奏会に出演します。サントリーホールの建設にも尽力した芥川氏がサントリーホール落成記念のために作曲したオルガンとオーケストラのための「響」をソリストに国内外で大活躍の石丸由佳さんを迎えて披露します。続いて、ソヴィエト音楽界とも交流が深かった芥川氏の功績を称えシチェドリンのピアノ協奏曲第2番を日本初演します。ソリストはこれまでもシチェドリンを熱心に取り組まれてきた松田華音さんを迎えます。後半は、芥川と新交響楽団が日本初演したショスタコーヴィチの問題作であり最高傑作である交響曲第4番を取り上げます。これ以上ない「アクタガワ・トリビュート」となる演奏会。ぜひ会場に足を運んで体験していただきたい演奏会です!

チケットはこちらから!
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2446883



今日は、今年生誕100周年を迎える芥川也寸志先生についてご紹介しました。
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