指揮者の坂入 健司郎です。1月も後半となり、お正月気分からすっかり日常へ戻ってきた頃ではないでしょうか。前回のコラムでは新年のご挨拶をさせていただきましたが、改めて今年もどうぞよろしくお願いいたします。今年の東京は、春めいた陽気を感じさせる日も多い1月でしたが、皆さまはいかがお過ごしでしょうか。
●サカリ・オラモ指揮 ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団
ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団をご存知でしょうか。ひょっとするとケルンにあるオーケストラといえば、ケルン放送交響楽団と呼ばれたWDR交響楽団のほうがレコーディングが多く、日本での知名度が高いかもしれません。
しかし、ケルン市のオーケストラは、このギュルツェニヒ管弦楽団。ケルンのオペラも、ケルン・フィルハーモニーでのオーケストラコンサートもこなす大車輪の活躍で、ケルン市の音楽を彼らが支えているのです。
私は、初めてひとりでヨーロッパで海外旅行をしたとき、ケルンでギュルツェニヒ管弦楽団を聴いて雷に打たれるような感動を受けました。そのとき音楽監督を務めていたマルクス・シュテンツとのマーラー:交響曲第8番「千人の交響曲」。こんなに素晴らしいオーケストラがあるのか、、、と圧倒されました。
そのケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団が、2025/26シーズンよりアーティスティック・パートナーを務める指揮者、サカリ・オラモと共に来日します。2月10日(月)は彼らの得意とするマーラーの交響曲第5番(1904年にマーラーこの楽団が初演した作品でもあります!)、そして2月12日(水)にはオラモが「彼の即興的な個性を強く意識」するというベートーヴェンの交響曲第7番を披露。ソリストを務める諏訪内 晶子さんにも大注目です!
2月10日(月)、2月16日(日)にピアノ独奏を務めるのは、今やヨーロッパを席巻するピアニスト・藤田 真央さん!副コンサートマスターを務める弓 新さんと第2ヴァイオリン首席奏者を務める大江 馨さんもツアーに参加予定!と聴きどころがたくさん!是非足を運んでみてはいかがでしょうか。
チケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2453102
●ウィーン・アンサンブルVIMCA 「ウェルナー・ヒンク メモリアルコンサート」
ウィーン・アンサンブルVIMCAは、ウィーン・フィルをはじめ、ウィーンを代表するオーケストラのトップメンバーによるアンサンブル。ウィーン・フィルのパヴェル・クツミシェフ(第1ヴァイオリン)、そして、シーラ・エプシュタイン(第2ヴァイオリン)はウィーン・シュトラウス・フェスティヴァル・オーケストラのコンサートミストレス、グンター・グレッセル(ヴィオラ)はリンツ・ブルックナー管の首席奏者、ヴォルフガング・ヘルテル(チェロ)はウィーン・フィル、マティアス・シュルツ (フルート)はウィーン国立歌劇場管弦楽団、クリストフ・ツィムパー(クラリネット)はウィーン国立音楽大学教授という錚々たるメンバーが揃います。
今回は2月10日(月)よみうり大手町ホールにて、2024年5月に惜しくもこの世を去ったウェルナー・ヒンク氏を偲ぶメモリアルコンサートが催されます。わずか21歳の若さでウィーン・フィルに入団、その後、1974年から34年間ものあいだコンサートマスターを務めた世界的ヴァイオリニストであるウェルナー・ヒンク氏に生前教えを受けるなど、深い交流があったウィーン・アンサンブルVIMCAによる渾身の『ウィーン・プログラム』です。
モーツァルトあり、ハイドンあり、ヨハン・シュトラウス2世の傑作ワルツ「南国のばら」も披露される、盛りだくさんのコンサート。是非足を運んでみてはいかがでしょうか。
チケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2455900
今日は、2月のおすすめコンサートをご紹介しました。
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