【坂入健司郎コラム】200年経った現在でも鮮烈に響く、鬼才ベルリオーズの交響曲!

2024.11.13

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タクティカート

こんにちは!指揮者の坂入健司郎です。

2024年を残すところあと1ヶ月半。今年も、お陰様でさまざまな演奏会を開催することができました。とりわけ昨年からこのコラムでもたくさん取り上げてきた、生誕200年を迎えるブルックナーの交響曲を、この一年で集中的に取り組めたことは私にとってかけがえのない音楽体験となりました。ブルックナーばかり取り組んできたように思える2024年ですが、実は11月に、私にとってブルックナーと並んで大切な作品を指揮するコンサートがあります。
今日は、タクティカートオーケストラ 第2回定期演奏会のご紹介です!

●音楽界の鬼才、ベルリオーズが生んだ『幻想交響曲』

ルイ・エクトル・ベルリオーズは、1803年生まれの作曲家。父親の意向でパリの医科大学に入学するも音楽への思いを断ちがたく、父親の猛反対をよそに音楽の勉強を始めました。その当時のパリは、広場に行けば政治犯の斬首刑が見世物にされ、「自由・平等・博愛」を理想にされたフランス革命も混迷を極め、アヘンなどの薬物も蔓延っていました。そんな混迷のなかベルリオーズは、類い稀なる感性とロマンティストな性格を発揮し、ひとつの交響曲を発表しますーーそれが「幻想交響曲」です。この交響曲は、「恋に深く絶望しアヘンを吸った、豊かな想像力を備えたある芸術家」の物語を音楽で表現したもので、アヘンを吸った芸術家は幻覚の中で恋をし、失恋し、彼女を殺めて、自身はギロチンにかけられ、死後に地獄の世界で彼女と再会し乱痴気騒ぎとなり、曲が閉じられます。現代から見てもこんなサイケデリックなオーケストラ作品は珍しく、さらにベートーヴェンの死後たった3年後に書かれたと思うと、音楽史上最大の問題作であることは間違いありません。

●阪田知樹さんが奏でるショパンの協奏曲!

今回この幻想交響曲を、度々共演している若きオーケストラ、タクティカートオーケストラと演奏します。きっと、若き感性とベルリオーズの狂気が化学反応を起こすような衝撃的な一夜になるはず。
さらに、飛ぶ鳥を落とす勢いのピアニスト、阪田知樹さんを迎えて同時代にパリで活躍したショパンのピアノ協奏曲第2番を共演します。阪田知樹さんのピアノは幾度も演奏会で拝聴しており、共演を夢見ていたヴィルトゥオーゾ。とても楽しみな演奏会です。是非お越しください!

▼チケットはこちらから!
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2450487

今日は、タクティカートオーケストラ 第2回定期演奏会についてご紹介しました。
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坂入健司郎Twitter:https://twitter.com/siegfried512

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