狂おしいほどに甘く切ない
究極のドラマティック・バレエでときめきを。
ドラマティック・バレエの名作の数々でバレエ界に確固たる地位を築いているドイツの名門、シュツットガルト・バレエ団がカンパニーとしては実に6年ぶりに来日を果たします! 天才振付家ジョン・クランコを中心に創設されたシュツットガルト・バレエ団は、彼亡きのち、そのミューズだったマリシア・ハイデやリード・アンダーソンらの歴代の芸術監督によって伝統が守られてきました。ハイデの薫陶を受け、現在芸術監督としてカンパニーを率いるのは、自身もスターダンサーとして活躍したタマシュ・デートリッヒ。2022年予定されていたカンパニー公演はコロナ禍のさまざまな制約により、来日メンバーを絞ったガラ公演に規模 を縮小し開催しましたが、このたび満を持してフルカンパニーでの公演が実現します。
上演するのはシュツットガルト出身の巨匠ノイマイヤーがショパンの旋律にのせて描いた狂おしいほどの恋物語「椿姫」と、もはや現代の古典とも呼べるクランコの傑作「オネーギン」。同団で誕生した時代を超えて輝く名作をシュツットガルトの演技巧者のダンサーたちがドラマティックに魅せます!
「オネーギン」 全3幕
振付・演出:ジョン・クランコ
音楽:ピョートル・チャイコフスキー
編曲:クルト=ハインツ・シュトルツェ
装置・衣裳:ユルゲン・ローゼ
photos: Roman Novitzky / Stuttgart Ballet, Stuttgart Ballet
時代はドラマティック・バレエの時代に移り、
ファンが一番上演を待ち望んでいるのが、この「オネーギン」!
天才振付家ジョン・クランコがプーシキン原作の格調高いすれ違い物語「オネーギン」を題材に生み出した奇跡のドラマティック・バレエは、世界屈指の名門バレエ団がこぞって上演し、世界中のダンサーが踊ることを切望してやまない傑作です。
1820年代のロシア。素朴な人々が暮らす田舎と華やかな帝都ペテルブルクを舞台に、ロシアの理想の女性と称えられる誠実なタチヤーナと憂鬱の貴公子オネーギンの悲劇的な恋の行方がチャイコフスキーの同名オペラとは別の叙情豊かな音楽にのせて描かれます。タチヤーナとオネーギンをめぐる出来事がまるで映画が進むように流暢に進んでいく中、現れるのは全編の白眉ともいえる二つの鮮烈な場面。オネーギンを慕うタチヤーナの初恋の高まりを描く第1幕最後の“鏡のパ・ド・ドゥ”と、すれ違ってしまった二人の恋の葛藤を表現する最終場の“手紙のパ・ド・ドゥ”は、観客の胸に迫るドラマティック・バレエを代表する名シーンであり、ガラ公演でも頻繁に披露されます。
シュツットガルト・バレエ団は1973年の日本での初演以降幾度となく本作を披露してきましたが、踊りを通して物語を展開しながら流麗にことばなきことばを語る振付と演出が、演じるダンサーごとに異なる恋模様を表出させ、上演のたびに新鮮さをもって観客を魅了してきました。2018年以来6年ぶりの上演となる本公演では、前回公演で厭世的な観念を持つオネーギンを魅惑的に演じたフリーデマン・フォーゲルが、歳を重ねさらに成熟した色気をもって再び演じるほか、今のシュツットガルト・バレエ団をけん引する演技巧者な実力派ダンサーたちが、狂おしくも美しい物語を詩情豊かに綴ります。ぜひ見比べてご堪能ください!
11月2日(土) 14:00
オネーギン:フリーデマン・フォーゲル
タチヤーナ:エリサ・バデネス
オリガ:マッケンジー・ブラウン
レンスキー:ガブリエル・フィゲレド
グレーミン公爵:ロマン・ノヴィツキー
11月3日(日) 14:00
オネーギン:ジェイソン・レイリー
タチヤーナ:アンナ・オサチェンコ
オリガ:ディアナ・イオネスク
レンスキー:アドナイ・ソアレス・ダ・シルヴァ
グレーミン公爵:ファビオ・アドリシオ
11月4日(月祝) 14:00
オネーギン:マルティ・パイシャ
タチヤーナ:ロシオ・アレマン
オリガ:ヴェロニカ・ヴェルテリッチ
レンスキー:ヘンリック・エリクソン
グレーミン公爵:クリーメンス・フルーリッヒ
上演時間:2時間15分(休憩2回含む)
「椿姫」プロローグ付全3幕
振付:ジョン・ノイマイヤー
音楽:フレデリック・ショパン
装置・衣裳:ユルゲン・ローゼ
photos: Roman Novitzky / Stuttgart Ballet
巨匠ノイマイヤーが46年前にこのバレエ団のために創った「椿姫」、
ついに本家が伝家の宝刀を抜く!
19世紀の華やかなパリを舞台に、高級娼婦マルグリットと青年アルマンの悲恋を描く「椿姫」。アレクサンドル・ デュマ・フィスが24歳で書いたこの青春小説を題材にしたバレエ「椿姫」は、ヴェルディ作の同名オペラを超えたとも 称される究極のドラマティック・バレエです。
振付・演出を手掛けたのは鬼才ジョン・ノイマイヤー。彼は原作の小説に立ち返り、主人公たちの恋の行方を追うだけでなく、その関係や心理の変化をダンスによって克明に描き出しました。原作と同時代のパリを生きたショパンの音楽が時代の香りを漂わせ主人公たちの心情に溶け合いながら、物語を雄弁に語りかけてくるのです。特筆すべきは各幕に配された、高度な技術と表現力を要するマルグリットとアルマンのパ・ド・ドゥ。第1幕は愛の芽生え、第2幕は白昼夢のような束の間の幸福な浮遊感に満たされ、第3幕は壮絶なほどの憎悪を燃やすことで絆を確かめる恋人たちの葛藤が描かれます。とくに〈バラード第1番〉にのせた慟哭が聞こえてくるような第3幕の通称“黒のアダージョ”は、ガラ公演でもたびたび演じられる名ピース。また劇中劇「マノン」がマルグリットの心の鏡となり、恋人たちの運命の前兆として作品全体に通されているのもノイマイヤーの冴えわたる仕掛けです。
本作は20世紀を代表する女優バレリーナであり、当時シュツットガルト・バレエ団の芸術監督だったマリシア・ハイデのために創作され、同団で初演された作品。過去パリ・オペラ座バレエ団やハンブルク・バレエ団が日本公演で披露し強い印象を残しましたが、本家のシュツットガルト・バレエ団による舞台は、さらに胸締め付ける物語として、格別なものになることは間違いありません。甘く切ない名作の世界にぜひ酔いしれてください!
11月8日(金) 18:30
マルグリット:エリサ・バデネス
アルマン:フリーデマン・フォーゲル
マノン:アグネス・スー
デ・グリュー:マッテオ・ミッチーニ
プリュダンス:マッケンジー・ブラウン
11月9日(土) 14:00
マルグリット:アンナ・オサチェンコ
アルマン:デヴィッド・ムーア
マノン:ヴェロニカ・ヴェルテリッチ
デ・グリュー:ガブリエル・フィゲレド
プリュダンス:ダイアナ・ルイズ
11月10日(日) 14:00
マルグリット:ロシオ・アレマン
アルマン:マルティ・パイシャ
マノン:アグネス・スー
デ・グリュー:マッテオ・ミッチーニ
プリュダンス:マッケンジー・ブラウン
上演時間:2時間55分(休憩2回含む)
■チケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2425425
プリセール:8月5日(月) 21:00 ~ 8月6日(火) 23:59
一般発売 :8月7日(水) 10:00 ~
■演奏
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
■会場
東京文化会館
※表記の出演者は7月18日現在の予定です。ダンサーの怪我等により変更となる場合がありますのであらかじめご了承ください。