ドラマティック・バレエの巨匠クランコの傑作。
3 組のロミオとジュリエットによる華麗なる競演をお楽しみください!
演じるダンサーたちが言葉を発していないのが不思議なくらい、主人公たちの感情がいきいきと伝わってくる──それが物語バレエの巨匠ジョン・クランコによる「ロミオとジュリエット」の魅力です。巨匠美術家ユルゲン・ローゼによる2層構えの壮大な装置をあらゆる場面で効果的に使い、二つの 貴族の家の対立や、民衆のざわめきと貴族たちの威勢を巧みに対比させる演出。有名なバルコニーの場面から教会での結婚式、寝室での別れ、そして最後の墓室の場面まで、まるで恋人たちの語らいが聞こえてくるかのような主役たちのパ・ド・ドゥと演技。全編をとおして温かい感情に溢れ、胸をしめつけるような感動が押し寄せてきます。
一昨年、東京バレエ団は名作「オネーギン」に続く二作目のクランコの全幕として本作を初演。3 組の主役からソリスト役まで、心技体いずれも充実したきら星のようなダンサーたちが競演した舞台は「初演とは思えない」と評判で、再演を望む声も多くいただきました。このたびの公演は二月にわたって主演キャストが 2 回ずつ登板。どうぞ 3 組のロミオとジュリエットと、すべての配役を見比べて物語を堪能してください!
◆ ストーリー
〈第 1 幕〉
第 1 場 ~市場~ 明け方、モンタギューの息子、ロミオが美しいロザラインに愛の告白をしている。日が昇ると、市場は街の人々でいっぱいになり、そこには、不倶戴天の敵ともいうべきキャピュレット家とモンタギュー家の者たちもいる。怒りがぶつかり合い、争いが始まる。ヴェローナ侯が現われ、両家に対しこれ以上不仲が続くようだったら両者に罪を与えると警告し、場合によっては死刑にも処すると宣告する。ロミオと友人のベンヴォーリオとマキューシオは、キャピュレット家の親族の男、ティボルトとしぶしぶと和解を示す。
第 2 場 ~キャピュレット家のジュリエットの次の間~ ジュリエットは、母親のキャピュレット夫人からはじめての舞踏服を授かる。そして翌日、フィアンセのパリス伯爵と初めて会うことになっていることを聞かされる。いよいよ彼女は、少女時代に別れを告げねばならない。
第 3 場 ~キャピュレット家の外~ キャピュレット家の舞踏会につぎつぎと客人が訪れ、中にはロザラインの姿もある。彼女を追って、仮面をつけたロミオと友人たちも舞踏会に現われる。
第 4 場 ~舞踏会場~ ジュリエットは客人らとパリスに紹介される。パリスと踊りながら、彼女とロミオは互いに見つめあい、一目で恋に落ちる。ロミオの素性を怪しむティボルトは対決しようとするが、もてなしの慣習に従おうとするジュリエットの父親に止められる。
第 5 場 ~ジュリエットのバルコニー~ 寝室のバルコニーに出てジュリエットはロミオのことを夢想している。そこへ彼が庭に現われ、ふたりは永遠の愛を誓い合う。
〈第 2 幕〉
第 1 場 ~市場~ 広場はカーニバルで盛り上がっている。夢心地のロミオは周囲のお祭り騒ぎにも興味がない。ジュリエットの乳母が手紙を届けに来て、そこにはジュリエットから僧ローレンスの礼拝堂で会いたいと書いてある。
第 2 場 ~礼拝堂~ 修道院で僧ローレンスは若い恋人たちの結婚に立ち会う。
第 3 場 ~市場~ カーニバルの真っ最中に、ロミオは広場へ戻ってくる。ティボルトが話しかけるが、ロミオは闘おうとはしない。怒ったマキューシオがティボルトと決闘し、彼の手でマキューシオは死をとげる。呆然として取り乱したロミオは、ティボルトに襲いかかり殺してしまう。
〈第 3 幕〉
第 1 場 ~寝室~ ジュリエットの寝室で恋人たちは夜明けに目覚め、追放の身となったロミオはジュリエットのもとを、ヴェローナを去らねばならない。キャピュレット夫人がパリスを伴って入ってくるが、ジュリエットはパリスを拒絶する。
第 2 場 ~礼拝堂~ ジュリエットが僧ローレンスに助けを求めると、ローレンスは仮死状態になれる眠り薬をジュリエットに与え、「ロミオがキャピュレット家の墓所でジュリエットとおちあえば、ふたりでそこから一緒に逃れられる」と説明する。
第 3 場 ~寝室~ 両親が戻ると、ジュリエットはパリスとの結婚を承諾する。パリスが両親と立ち去ると、ジュリエットは眠り薬を飲み、発見した家族と友人らはジュリエットが死んでしまったと思う。
第 4 場 ~キャピュレット家の地下納骨堂~ 僧ローレンスからの計画を明かす知らせを受け取っていなかったロミオは、ジュリエットが死んでしまったと思い込み、墓所へ駆けつける。そこでいたみ悲しんでいるパリスを見つけ殺してしまう。最期にジュリエットを抱きしめ、ロミオは短剣を心臓に突き刺す。ジュリエットが目覚め、息絶えたロミオを見とめる。深い悲しみに打ちひしがれ、ジュリエットも自ら命を絶つ。
◆ 公演概要
東京バレエ団 創立 60 周年記念シリーズ 6
ジョン・クランコ振付
「ロミオとジュリエット」全 3 幕
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ|装置・衣裳:ユルゲン・ローゼ
Staged by:Jane Bourne Supervised by: Reid Anderson Copyright: Dieter Graefe
5月24日(金) 18:30 | ジュリエット:沖 香菜子 | ロミオ:柄本 弾 |
5月25日(土) 14:00 | ジュリエット:秋山 瑛 | ロミオ:大塚 卓 |
5月26日(日) 14:00 | ジュリエット:足立 真里亜 | ロミオ:池本 祥真 |
6月7日(金) 18:30 | ジュリエット:足立 真里亜 | ロミオ:池本 祥真 |
6月8日(土) 14:00 | ジュリエット:秋山 瑛 | ロミオ:大塚 卓 |
6月9日(日) 14:00 | ジュリエット:沖 香菜子 | ロミオ:柄本 弾 |
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
上演時間:約 2 時間 45 分 (休憩 2 回含む)
会場:東京文化会館 (上野)
■チケット情報:https://t.pia.jp/pia/event/
※表記の出演者は 2 月 1 日現在の予定です。ダンサーの怪我等により変更になる場合がありますので、あらかじめご了承ください。出演者変更によるチケットの払い戻し、日にち変更はお受けできません。正式な出演者は当日発表とさせていただきます。