【坂入健司郎コラム】最近の海外クラシック音楽ニュース

2024.03.12

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こんにちは!指揮者の坂入健司郎です。
今日は、最近の海外のクラシック音楽ニュースをお届けします。

フランツ・ウェルザー=メストが指揮活動を再開
昨年、癌の治療を受けるため活動休止を発表し、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団との来日公演も残念ながらキャンセルとなったフランツ・ウェルザー=メストが、予定通り指揮活動を再開されました。

当初の医師から発表されていた2024年1月に、指揮活動を再開。長年音楽監督を務めている盟友、クリーヴランド管弦楽団とともにバルトーク「中国の不思議な役人」やクルシェネクの小交響曲などの難曲を見事に披露しました。医師は完治を確信しているとアナウンスがされていました通り、お元気で復活されたことが何より嬉しいニュースとなりました。

今月は、ウィーン・フィルとアメリカ公演を実施。カーネギーホールでマーラーの交響曲第9番を演奏して、大喝采を浴びました。その際の実況録音もネットラジオで聴くことが出来ます。是非お楽しみください!

https://www.wqxr.org/story/vienna-philharmonic-2024/


●環境活動家の暴挙
日本のオーケストラでもたくさんの名演を残している巨匠指揮者、アントニ・ヴィト氏の80歳記念演奏会が、彼の母国であるポーランドで催されました。
ヴィト氏の指揮でモーツァルトの戴冠ミサ曲を演奏中に(しかも信条を高らかに宣言するような「クレド」の演奏中に…)横断幕をもった2名の環境活動家による妨害が起きました。指揮台のヴィト氏が彼らから横断幕を力ずくで奪い取り、淡々と演奏を続ける演奏が波紋を呼びました。

https://x.com/wojpawelczyk/status/1764572301234667577?s=46

最近は、このような環境活動家によるコンサートの妨害がヨーロッパで頻繁に行われております。表現の自由はあれど、チケットを買って素晴らしい音楽に心委ねているお客様にとって、あってはならない暴挙です。どんなメッセージであろうが、暴挙に出る者の発するメッセージは誰の心に響くことはないと信じています。こうした抗議活動がこれ以上起こらないことを心から願うばかりです。

今日は、最近の海外のクラシック音楽ニュースをご紹介しました。
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坂入健司郎Twitter:https://twitter.com/siegfried512

 
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