こんにちは!指揮者の坂入健司郎です。
2023年最後のコラムとなりました。今年も「ぴあクラシック公式サイト〜poco a poco〜」をご覧いただき、ありがとうございました!
今日は、私が観たコンサートの中で今年のベストコンサート5つを紹介しつつ今年を振り返ってみたいと思います。(※ランキングではなく、日付順で並べています。)
●2023年3月28日 都響スペシャル【リゲティの秘密-生誕100年記念-】
大野和士さんが指揮する東京都交響楽団に、鬼才パトリツィア・コパチンスカヤが登場。生誕100周年を迎えるリゲティのヴァイオリン協奏曲のヴァイオリン独奏とリゲティのマカーブルの秘密では歌も披露!
コパチンスカヤの表現力を堪能できた演奏会でした。この演奏会で都響ソロ・コンサートマスターを勇退された四方恭子さんとコパチンスカヤによるアンコールで奏でられたリゲティのバラードとダンス(2つのヴァイオリン編)も素晴らしかったです!
●2023年6月27日 エンリコ・オノフリ指揮、ハイドン・フィルハーモニー
M.ハイドン:交響曲第39番、J.ハイドン:交響曲第96番「奇蹟」、ベートーヴェン交響曲第5番という古典派作品を堪能するにはもってこいのプログラム。
オノフリは、金管楽器以外はほぼモダン楽器を使いながらも凄まじく新鮮な音を生んでいました。忘れられない名演でした。
●2023年10月29日 ジョルディ・サヴァール&エスペリオンXXI
ルネサンス & バロックのダンスと変奏~旧大陸、そして新大陸から~というタイトルで、サヴァールの得意とするルネサンス & バロックの名曲を20曲近く堪能しました。82歳になるサヴァールですが、大曲であるマラン・マレの「フォリアによる変奏」を取り上げ、迫真の演奏を披露しました。
とりわけ、素晴らしかったのはアンコールで演奏した「カナリオス」に基づく即興演奏。サヴァールのヴィオールから鳥のさえずりが聴こえ、それが人間の声(歌)になり、また静かに鳥のさえずりに戻っていくという輪廻があまりに美しく、涙が止まりませんでした。
●2023年11月10日 トゥガン・ソヒエフ指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
音の魔術師ともいうべき名匠、トゥガン・ソヒエフと世界最高峰のウィーンフィルの夢の共演。素晴らしく美しい音を堪能しました。ライブならではの高揚感、どれだけ昂っても失わないウィーンフィルの美音。。。文句なしの名演奏でした。
●2023年11月26日 ウィリアム・クリスティ指揮 レザール・フロリサン
クリスティとレザール・フロリサン、4年ぶりの来日公演!80歳近くになるクリスティはまだまだ元気!驚くべき集中力と解像度で、バッハのヨハネ受難曲を演奏しました。第2部以降のバロックオペラを観ているようなドラマティックなバッハは忘れられない演奏になりました。
今日は、「今年の極私的ベストコンサート5選!」をご紹介しました。
今年も1年大変お世話になりました。来年も皆様にとって素敵な一年になりますよう願っております。
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