こんにちは!指揮者の坂入健司郎です。
ようやく秋の深まりを感じさせる日が増えてきました。いよいよ芸術の秋本番です!今日は、秋から冬にかけて行われる新国立劇場の公演を2つご紹介したいと思います。
⚫︎ヴェルディの傑作「シモン・ボッカネグラ」を新演出で上演
14世紀に実在した初代ジェノヴァ総督シモン・ボッカネグラを題材としたヴェルディの傑作「シモン・ボッカネグラ」が新国立劇場・芸術監督を務める大野和士さんの指揮によって上演されます。今回はピエール・オーディによる新演出のプレミエ(初演)のため、この秋に見逃せないオペラの一つといえるでしょう。
オペラには「恋愛」「権力争い(政治)」「死」という三つの要素が欠かせません。どれか一つでも題材に含まれていたら、そのオペラは素晴らしいものと称賛されておかしくありませんが、このヴェルディの「シモン・ボッカネグラ」では、オペラに欠かせない三つの要素を贅沢にも全て使ったイタリア・オペラの傑作といえるでしょう。ヴェルディの作曲したオペラの中でも「アイーダ」や「椿姫」と比してネームバリューは劣るものの、作品の充実度は最高級!今は亡き、名指揮者クラウディオ・アバドの十八番としても知られる名作なのです。是非、劇場に足を運んで体験してみてください!
⚫︎クリスマスに愉しむ「くるみ割り人形」
新国立劇場バレエ団『くるみ割り人形』撮影:瀬戸秀美
年末のクラシックと言えば、第九!・・・いやいや。くるみ割り人形も見逃せません!チャイコフスキー人生最後のバレエ音楽にして最高傑作。クリスマス・イヴにくるみ割り人形を贈られた少女が、くるみ割り人形ともに繰り広げる夢の世界の物語。中国、アラビア、ロシア、スペインなど世界中のダンサーたちが様々な踊りを見せる第2幕では、聴き馴染みのある名曲たちに思わずワクワクすること間違いなし!新国立劇場でも毎年大好評を博す名物公演です。
今日は、新国立劇場の秋冬の注目公演についてご紹介しました。
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