HONKI ダンサーズ
HONKI ダンサーズ
ゲストさん

新規登録

ログイン

NEWS

リモートで直撃!配信シングル「SMILE SMILE」インタビュー<後編>

2020.06.10

  • NEWS

SMILE SMILE_インタビュー02


INTERVIEW


リモートで直撃!
配信シングル「SMILE SMILE」インタビュー
<後編>

text:田中 大
editor:荒井杏梨(ぴあ)

この曲は日常に溶け込みやすい曲だと思うので、何回でも聴いて、
ライブを心待ちにしていただければと思います。

――「歩いてる歩幅のグルーヴ」「歩く時のスピードのリズム感」という話が米田さんから出ましたが、鈴鹿さんは「SMILE SMILE」のサウンドに関して、どのように感じていますか?

鈴鹿秋斗 僕らにしてはゆったりとしたノリなので、レコーディングに至るまでには難しさもありましたけど、ずっとやっていくうちに自分のものにできたかなと思います。すごいやってて楽しい部分がありますね。僕らに合ってる曲やなと思ってます。

――マイケルさんは、どのように感じています?

マイケル 個人的には、BPMに関しては今までと比べて変わったということは、あまり感じてないです。「SMILE SMILE」に関しては、どちらかといえば「ポップ調の曲」という印象の方が強いですね。「ポップ調の曲」というのは、今までもやっているんですけど、米田がさっき言ってたみたいに、90年代のポップソング的なアプローチをできたというところが、結構でかいのかなと思ってます。その結果、このBPM感の曲になりましたけど。まあ、グルーヴって難しいんですよね。「グルーヴって何なんだろう?」って考えると難しくて。聴いてくださった人が「良いグルーヴが出てる」って思ったんだったら、多分そういうものは出てると思うんです。やろうとして出たっていうよりは……グルーヴって、「その人」みたいなところがあるんですよね。

――グルーヴって、言葉で言い表すのは、非常に難しいんですよね。譜面で表せるものでもないですし。

米田貴紀 その小節のなかにどれだけ誰が詰め込むか?っていうバランスが、僕の思うグルーヴに繋がってくるのかなと思ってます。たとえば昔の曲の「WHERE?」は、歌に関して言うと、めちゃめちゃ詰め込んで、一切余白のない状態を作って、ずっとアッパーなテンションのまま終わる構造なんです。でも、「SMILE SMILE」に関しては、どの楽器隊も良い意味で、そこまで詰め込んでないんです。それがゆったりとしたグルーヴに繋がるのかなと。歌ものびやかに歌ってて、Aメロで間を作ってますから。そういうのは、今だからやれてるところですね。昔だったらできるだけ間を埋めたい気持ちがあったんですけど、年々、抜きの美学を感じるようになってます。緩急をつけたいということも、最近思ってます。

――西田さんは、この曲に対してどのようにアプローチしました?

西田一紀 「SMILE SMILE」は、歌ものっていうのもあるし、歌の間も結構あったりするので、「歌をどうやったらもっと演奏でプッシュしていけるか?」というのを考えました。全体を考えることができたっていう感じですかね。

――この曲、間奏の部分も、すごく印象的なんですよね。

米田 あそこは、振り切ってやろうと思ってました(笑)。バンドというより、DJがクラブでやってるような方向に急にいくんですよね。「あそこのセクションをライブでもっと長くして、30分くらい聴いてたい」とか思うくらい好きです。クラブの音楽って、極論を言えば、たとえば4つ打ちの音だけでずっと気持ちいいっていうような、リズムの極みまでいってるものじゃないですか。この曲のあそこのセクションも、そういうイメージです。

――ライブであそこをさらに長尺にして、お客さんを巻き込みつつトランス状態を生んだりするのも楽しそうですね。

米田 そうですね。レコーディングの時も、「ライブで楽しめそうだな」って思ってました。

――観客の目線から言うと、米田さんがギターを置いて激しく踊りまくる場面って、ライブの楽しみのひとつなので、「SMILE SMILE」のこのセクションにも、そうなっていきそうな期待があります。

米田 単純に、あそこで何もせずにずっと踊っておきたいですね。「踊る担当」みたいに(笑)。ハッピー・マンデーズにもただただ踊るパートのベズがいたりしますし。人はただただ踊ってる人を見ると、自分も踊りたくなるというか。それって大事やなと思うので。だから、まずは自分が踊れるような曲を作るというのは、大前提ですよね。「SMILE SMILE」のあのセクションに関しても、自分でも踊れるっていうのは間違いないので、ライブでも多分めちゃくちゃ動くと思います。

――変な質問にはなりますが……米田さんがライブの時に着るタテのストライプのシャツって、フロアから眺めると、視覚効果が抜群なんですよ。踊りながら揺らめくタテ線の動きがトランス状態を誘うので。あれは、そういう狙いなんですか?

米田 それは考えてなかったですけど(笑)。

――変な質問で、すみません(笑)。鈴鹿さんは、踊っている米田さんを、どのようにドラムを叩きながら見守っているんですか?

鈴鹿 踊ってるのを見てるとBPMが速くなってしまうんですよね。米田がお客さんを煽ったら、僕も結構煽られてドラムが走ってしまうことがあるので、「いかに落ち着くか?」っていうのは、永遠の課題です。正直、冷静になれないタイプなので、ドラムは向いてないかもしれないです(笑)。

――(笑)プレイ中に落ち着こうとする反動が、毎回のMCでの爆発ぶりの理由ですかね?

鈴鹿 そうかもしれないです。家では、向こうから話しかけられなければ、自分からは喋らないタイプなので(笑)。

――話が脱線してしまいました(笑)。とにかく、「SMILE SMILE」は、ダンスチューンとしても、とても新鮮な仕上がりになりましたね。ジェームス・ブラウンみたいなファンクの要素がホーン隊によって加わったっていう、先ほどのお話も興味深かったです。でも、米田さんのイメージの根幹にあったのは、モッズなんですね。

米田 モッズというか……90年代ですね。自分の育った時代なので、そこが出たのかなと。自分の子供の頃の写真を見たら、92年とかの頃の親の服装が、なんか今っぽいなと思ったんです。ファッションも何周もまわりながらトレンドになるって言いますし、その感じは音楽にもあるのかなと。

――「SMILE SMILE」を作ったことによって、まだまだいろんなおもしろいことができるという可能性も感じたんじゃないですか?

米田 そうですね。さっき言ったようなダンサブルなセクションとかも、まだまだ突き詰めたら、おもしろくなっていきそうですし。まだまだ可能性はあるなって思ってます。

――この曲は、MVでもおもしろいことができましたよね。みなさんが部屋で撮影した動画を使っているのが、すごく斬新でした。

米田 あれは完全に自宅で各々が撮ったものを使って、監督さんが家で作ってくださったんです。全部STAY HOMEで完パケまでやり遂げた作品なんです。

マイケル 自宅で撮るっていうのは、不思議でしたね。メイキング用に部屋の端でもカメラをまわしてたんですけど、その感じも恥ずかしかったです(笑)。「どんな感じになるのかな?」って思いながらやってたんですけど、すごい良い作品になってましたね。

――西田さんは、部屋で撮ってみていかがでした?

西田 外出んでいいから、楽でええなと思って(笑)。でも、良いものに繋がったので、すごい手応えと昂揚感があります。

――このMV、いろんな小物が出てくるのも興味深かったです。

米田 あれは、各々の私物も入ってまして。

――制汗剤は、米田さんの私物ですよね?

米田 そうです。「1個だけ使うのかな?」って思ってたら、全部使ったので、「こいつ、めちゃめちゃ制汗剤使ってるやつ」みたいな感じになって、「どんだけ匂い気にしてんの?」って(笑)。

鈴鹿 「くさいんかな?」みたいな(笑)。

米田 「あんなに使ったら、逆にくさくなるよ」っていう(笑)。まあ、あれは各々が「映像に使えるものはないかな?」って選んで監督に郵送したんです。

――鈴鹿さんがカップヌードルを食べるシーンが、今回もしっかり入っているのは、ファンが反応するところだと思います。

鈴鹿 監督の瀧澤さん(瀧澤雅敏)と、ずっとMVにカップヌードルの歴史を刻んできましたからね。「今回はあのシーンはないかな?」って思ってたら、最後の最後に台本を見たら、しっかり入ってました。「WHERE?」のSTAY HOMEバージョンというか。あのMVの時の位置とかも再現してやってくれはったので、さすがやなと思いました。

――今回の撮影のために、カップヌードルを自分で買って用意したんですね?

鈴鹿 そうです。でも、1回目に買って、撮って送ったら、「もうちょっと画角が」ということになって、3食くらいカップヌードルになったんです。普通のごはんとか卵焼きを食べたくなりました(笑)。

――貴重なエピソードをありがとうございます(笑)。ところで……新型コロナウイルスの影響が続いていて、ライブができない日々が続いていますが、この状況に関しては、どのように受け止めていますか?

米田 我々は特に影響を受けてる職種というか。ライブもできないし、レコーディングも途中で止まってる曲もあって、まだ完成までいけてないんです。ライブハウスも大変ですよね。各地でクラウドファンディングとかをやってますけど、僕らも助けられることがあったらやりたいなって思ってます。あと、最近はアコギで弾き語りでやってみたりとか。「何かやらなあかんな」というところで、今の自分にできることをやり始めてます。

マイケル 2月15日以降、ライブをやってないんですよね。今って、みんなが「何かできることはないか?」っていうのを模索しながらやってる最中だと思うので、我々も今の状況でできることっていうのを考えつつ発信できたらいいかなと。

――西田さんは、緊急事態宣言が出てから、どのように過ごしています?

西田 最初の頃は散歩に出かけたりしてたんですけど、同じ道を歩くのも飽きてくるというか。だんだん外も出えへんくなって。やることがなくなると、人間は最終的にアルコールにいき着くというのを最近痛感してるというか。スーパーにいったら安い、500円くらいのボトルのワインが売られてて。あれがすごくコストパフォーマンスに優れてると思って、ずっと飲んでますわ(笑)。顔を合わせて人と飲みたいですね。

――鈴鹿さんは、最近、どのように過ごしています?

鈴鹿 家でよく映画を見てるんですけど、TOHOシネマズにいきたい気持ちが強くなり過ぎて。TOHOシネマズのバターオイルたっぷりのポップコーンが、ほんま、めちゃくちゃ好きなんです。だからネットでポップコーンを買って、塩加減とかバターオイル加減を調整しながら、「いかにTOHOシネマズさんに近づけられるか?」っていう挑戦をしてます。

――こういう状況だから、できるだけ自分を楽しませながら過ごすしかないですよね。

鈴鹿 そうですね。でも、やっぱライブがしたいなって、一番思いますけど。

米田 「ライブ再開する時、自分はどんな感情になるんやろうな?」って思います。溜まったぶんのジャックポット解放みたいな。全部が出るのか、意外に普通に淡々とこなすのか(笑)。どうなのか自分でも読めないですけど、「SMILE SMILE」が、次にできるライブのなかで重要な曲になるというのは確信してます。

――ライブを楽しめる日が戻ってくるまで、お互いに元気でいるしかないですよね。

米田 そうですね。今は気が滅入ってしまうので、なかなか笑うこともなかったりするんですけど、「SMILE SMILE」は、そういうメッセージも込めてるというか。次、ライブで会える時に、笑顔でみんなと会えたらいいなあっていう風に思います。

――僕もZoomで取材をするんじゃなくて、またみなさんと直接お会いしたいですよ。

米田 画面越しじゃなくて、ちゃんとお会いしてインタビューを受けたいです。

――これはこれで新鮮ですけど。でも、やっぱり直接お会いするのに勝るものはないと僕も思います。

米田 音楽は特にそうですけど、生の音と音源は違うんで。そこはいくらコロナで時代が変化しようが、人は求めると思うので、求められればすぐにできるように準備しておかなきゃなと思いますね。

――ファンのみなさんも「SMILE SMILE」を聴きながら、また直接ライブ会場で会える日を心待ちにして過ごすはずですよ。

米田 この曲は日常に溶け込みやすい曲だと思うので、何回でも聴いて、ライブを心待ちにしていただければと思います。歌詞を完成させたのは、コロナ騒動の前……その後にちょっと修正は入れたんですけど。改めて歌詞を見ると、今の時代のことを歌ってるような気がして。自分で自分に驚かされてるって感じなんですね。昔の自分に励まされてるような気持ちです。聴いてくれる人たちにも同じように元気を出してもらえるかなって思うので、そこらへんが伝わってほしいです。明るい気持ちにさせてくれる曲になったと思うので、たくさん聴いてほしいですね。



***END

▲トップへ