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家入レオ

2026.09.01

  • CATCH EYE

INTERVIEW

光のなかで歌っている、口角がずっと上がったままの自分を、
アルバムを通して感じています。

text:吉羽さおり photo:福井麻衣子 
editor:武内和子(ぴあ)/幡野美和子(ぴあ)
hair & make:北原果 stylist:甲斐修平

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 HANAやちゃんみななどを手掛けるRyosuke"Dr.R"Sakaiをプロデューサーに迎えた昨年のシングル「Mirror feat.斎藤宏介」でアーティスト/シンガーとして進化を続ける姿を見せた家入レオ。この挑戦で新たなリスナーとの出会いを果たしたが、自身の年齢を冠したニュー・アルバム『31』もまた、最高のタッグでの制作となった。「「Mirror」の時点では、Sakaiさんにアルバム1枚をプロデュースしていただくことになるとは思っていなかった」とアルバム制作を振り返る家入。今回の取材の撮影時に「ノーガードで!」という言葉が本人やスタッフ間で飛び交っていたが、この"ノーガード"が制作は勿論、音楽に向かうスタンスとしても鍵となったようだ。
「ここ数年でリリースしたアルバムの『Naked』(2023年)も、『My name』(2024年)も、タイトルの通り裸になっていくようなアルバムで、家入レオという名前になる前の自分の人生も大切にしたいと思って作ったアルバムだったんです。だから、その2作で自分では脱ぎ切ったと思っていたんですけど、Sakaiさんに出会ったときに『家入さんはすごくガードが固いよね』と言われて。自分でも"これ以上、何をどうしたらいいんだ!?"と思っていたんです。でもふとした瞬間に私が見せる笑顔や何気ない言葉から、『等身大の、普段の感じのままが良いのでは』ともおっしゃってくださって。「Mirror」の制作で手応えがあったのと、この方と一緒に作りたいという気持ちがすごく強かったので『アルバムで数曲、またご一緒できませんか』とSakaiさんにお伝えしてみたら『じゃあ沖縄に制作合宿に行きませんか』とお誘いいただいたんです」

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 いつもとは違う環境や空気が流れるなか、1日に2、3曲ペースで曲を作るという充実した時間を過ごし、また食事のときには今抱えているリアルな思いも語った。
「ここ数年で、メンタルとフィジカルの変化を感じていて。10代のただ歌うことが楽しかった時代とは違って、ケアやルーティーンをこなさないと今までのバランスが保てなくなってきたんです。それはプロとして大事な心構えですが、過度にやり過ぎてしまった時期を経て、等身大の歌い方と音楽スタイルに出会っていかないと、大好きな音楽が続けられなくなるかもしれないと思うようになって。年齢的にもまわりが結婚、出産、転職とライフステージを移行していくなかで、アイデンティティを再構築している姿を見たり、自分もデビュー15周年を前に、ここからのビジョンを尋ねられる機会が増えていて。そういう現実的なことと向き合ったうえで、アルバムに向かっていく感じだったんです」
 アルバム1枚を一緒に作ろうと持ち掛けたのはSakaiだった。制作で音を交わし、心を通わせるなかでSakaiから出たのは「金字塔を作りませんか」との言葉。東京に戻ってからの制作はさらに怒涛で、短い間に念願だった海外アーティストとのコライト(オーストラリアの双子姉妹NERVOが参加)にも挑戦し、充実しつつも気持ちや技術が追いつかないと泣いた日々もあったと語る。濃い時間を経て完成した『31』はしかし、先鋭的なポップスでありつつ実にエアリーで日常に馴染む1作となった。
「もっと当たり前の存在になりたい、当たり前の音楽でありたいと思うんです。気づいたら隣にいるような感覚で、デイリーユースなアルバムにしたいと思って。今作では31歳の私が、朝起きて日の光のなかで今日はどんな一日にしようって考えてから、夜ベッドで眠りにつくまでの記録を1枚にしているんです。この時代にアルバムという形態でリリースする意味にも立ち返って、曲順通りに聴いていただくことでひとつのストーリーが生まれてくるし、アナログレコードのA面、B面を意識しながら作っていきました」

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 そう、音楽的な新しさはあるけれど、これまでの家入レオのキャリアを断ち切っているわけではない。等身大の日々や喜怒哀楽が詰まった、まさにノーガードで、素顔の彼女がここにいる。
「今まで、闇のなかで何かと対峙しているのが自分だと思っていたけど、光のなかで歌っている、口角がずっと上がったままの自分を、アルバムを通して感じています」
 "今を全力で生きたら過去は変えられる"と、積み重ねてきた悲喜こもごもを肯定する軽やかさに満ちた「Echoes」。また、メッセージ的でありつつもウィットに富んだ表現に、大人の余裕を感じる「Walk」。アフロビートの「Melt」はお酒の力も借りてレコーディングしたそうで、キュートな色っぽさもこぼれる。アルバムを締め括る「Love In Me」は、31歳の現在地を優しく抱きしめるエモーショナルな曲となった。
「"家入レオ"と聞いたときにイメージが浮かぶというのは幸せなことですが、そういった家入レオ像がある方にも、私の曲を聴いたことがない方にも、このアルバムが入口になったら」と笑顔で語る。9月12日からの全国ツアーでも、その今を楽しんでほしい。

PROFILE

いえいりれお
'94年生まれ。'12年、シングル「サブリナ」でメジャー・デビュー。力強さと切なさを併せ持った声と、情感豊かな表現力を武器に多くの楽曲を発表し、ファンを魅了している。本年8月26日、自身の年齢をタイトルに冠した9枚目のフル・アルバム『31』をリリース。9月12日より全国11都市をまわる全国ツアーを開催する。
アルバム

ALBUM『31』
発売中
8250円(税込) VIZL-2545[BD付初回限定盤A]
5500円(税込) VIZL-2546[Photobook付初回限定盤B]
3500円(税込) VICL-66165[通常盤]
Colourful Records
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