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CATCH EYE

岡崎体育

2026.08.03

  • CATCH EYE

INTERVIEW

聴いてくれた方の人生に何か影響を及ぼしたのなら、
シンガー・ソングライターとして嬉しいですね。

text:鈴木宏和 photo:福井麻衣子 
editor:武内和子(ぴあ)/幡野美和子(ぴあ) 
hair & make:中條三菜子(KIND)

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 テクノでダンスであり、フォークでカントリーであり、ロックでパンクでメタルであり、ファンクでヒップホップで、R&Bである。だがしかし、どれも本道ではない。あくまでもオルタナティブなのである。そんな絶妙なスタイル、立ち位置の、独自のポップ・ミュージック"盆地テクノ"で大きなファンダムを見事に築き上げてみせた岡崎体育は、2010年以降の音楽シーンにおける屈指の鬼才と言っても過言ではないだろう。
「これまで広く浅くではありますが、いろんな分野を自分なりに理解しようとしながら音楽を聴いてきたと思います。確立された既存の音楽モデルを模倣しながら、自分が人生のなかで栽培してきた価値観というスパイスを加えて、家庭の味として音楽創造をしていこうとする姿勢は一貫していたと思っています。自分ではシンガー・ソングライターという肩書きを使っていますが、聴いてくださった方の人生に何らかの影響を及ぼしたのなら、シンガー・ソングライターとして嬉しいですね」
 2016年にアルバム『BASIN TECHNO』でメジャー・デビューを飾ってから10周年を迎え、「少しずつ自分の活動に判子が押されていく感覚が、子供の頃の夏休みのラジオ体操のスタンプラリーに近い感じで楽しかった」と語る岡崎体育が、まさにブレイク前夜の自身の音源をまとめ、メジャー・デビュー10周年を記念した2枚組のインディーズ・ベスト『盆地テクノ』として8月5日にCDリリースする。デビュー前にわずかに販売されていた岡崎体育のレアな6枚の自主制作盤より厳選された未発表曲24タイトルが、最新リマスターを施されて世に送り出されてくるのだ。
「収録曲は、自分の記憶が正しければ19歳から24歳の間に作ったものです。特に23歳、24歳の2年間は実家にこもって、50曲くらい作りました。スタッフと協議を重ねて、最終的には自分で選曲して曲順を決めましたが、苦労しました。ワールドカップの代表メンバーを選ぶ監督の気持ちが、少しわかった気がします」

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 今回このインディーズ・ベスト『盆地テクノ』を一聴して確信したのが、デビュー以前から冒頭で述べたような音楽ジャンル/スタイルを、すでに岡崎体育が自由自在に操っていたということだ。その造詣の深さや探究心に、改めて圧倒されてしまう。
「自分の個性に興味の移り変わりの激しさがあることを自覚していまして……ひとつのことにフォーカスして探求するよりも、いろんなものを吸収して真似してみようというのが根底にあるんです。子供の頃からそうだったので、母がそれを理解して育ててくれたのが大きいのかもしれないですね。母の方針が、今の自分を形成している要素……かっこよく言えば、エレメントなのかもしれません」
 驚きなのは、「NEOCORTEX feat.クズノ(the PARTYS)」というインスト曲で、その完成度の高さに改めて感服させられる。
「子供の頃から、英語がわからないくせに英語の曲ばかり聴いていたので、歌曲とインストの判別が薄いのかもしれません。家ではピアノのインストばかり聴いています。あの曲では、クズノという共同制作者のギター・センスが光っているので、僕よりも彼が評価されるべきだと思っています」
 そしてまた、歌詞のセンスにも舌を巻く。例えば「倒置法」。その名の通り倒置表現を並べて1曲作ってしまったものなのだが、とにもかくにもおもしろい。
「恐れ多いです。正直、もう着想理由は覚えていないんですが、ほかに"逆説"とか"擬人法"とかのアイデアがあって、形にできそうなのが"倒置法"だったのかなと。歌詞を褒めてもらえて、嬉しいです。大先輩の槇原敬之氏や松たか子氏が、ラジオで私の歌詞について評価してくださったときも、とても自信がつきました」

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 「Sorry guys but this is s**t」なる楽曲の歌詞も、非常に気になるのだが……。
「どうか、気になさらないでください。まだ若い頃の自分の感覚です。当時の自分が"アカンやろ"と、思っていたことなんですかね。メジャー10周年で、関わる人や守るべき風紀も増えましたし、今後はクリーンにソニー・ミュージックを背負いながら、歩いていくつもりです」
 やはり、岡崎体育は只者ではなかった! シンガー・ソングライターという枠にはもはや到底収まり切らない彼は、これから先の10年もリスナーを大いに楽しませてくれるに違いない。
「あ、でもどっちかと言うとライターの比重が大きいので、ライター・ソングシンガーですかね。音楽業界で戦っているという意味では、ファイター・ソングライターでもありますし、ファイター・ファイトファイターかもしれません。いや、ファファファー・ファーファファファファーと言ったほうが、自分というものを表しているのかもしれません。いや、やっぱりファァァァー・フファァーァァーフで統一させてもらいます」

PROFILE

おかざきたいいく
'16年5月、アルバム『BASIN TECHNO』でメジャー・デビュー。以降、アリーナ公演の開催など、音楽シーンを牽引している。また、音楽活動のみならず、CM、番組MC、映画、ドラマ出演など、多彩な才能を活かし活動の場を広げている。本年8月5日、メジャー・デビュー10周年記念の2枚組インディーズ・ベスト『盆地テクノ』を発表。
アルバム

ALBUM『盆地テクノ』
8月5日(水)発売
11000円(税込) SECL-3324〜6[2CD+パーカー(サイズ:M)完全生産限定盤]
11000円(税込) SECL-3327〜9[2CD+パーカー(サイズ:XL)完全生産限定盤]
4200円(税込) SECL-3330/1[2CD通常盤]
ソニー・ミュージックレーベルズ
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