さまぁ~ず
2026.05.01
- CATCH EYE
100点なんて永遠に出るわけがないし、
だからこそ続けているんです。
text:野上瑠美子 photo:福井麻衣子
editor:幡野美和子(ぴあ)

恒例の「さまぁ〜ずライブ」が2年ぶりに帰ってきた! 前回の公演の際、開幕3ヵ月前に行った取材では「今のところゼロ」と笑っていたふたり。2年を経て何か変化があったかというと……。
「ゼロですね(笑)。どちらかと言えば今回のほうがゼロかもしれない。前回反省して、次こそ早めに始動しなきゃと思って……結果ゼロです(笑)」(大竹)
「だんだん慌てなくなってきているんですよね。そもそも4ヵ月前にできたネタは、絶対腐るだろうと思っているから。だからたまに起こして、漬物みたいにかきまわすぐらいがいいのかなと」(三村)
「下から上にね」(大竹)
とはいえ現状「上も下もないのでは……?」と訊くと、「ないですね(笑)」と声を揃える。しかしふたりには、焦らなければいけない大きな理由があるのだ。
「最初にセット発注の締め切りが迫ってくるので、スタッフさんには本当に申し訳ないなと」(三村)
「セットも売りのひとつですからね。ほかの芸人からすると『ひとつのコントのセットで1時間半はやれるよ』って言われるくらい大がかり。ただ最近はふたりの喋りが多くなってきています」(大竹)
「それがまぁ僕らのライブの味というか、魅力と言ったら魅力なのかもしれないですけどね。果たしてあれがコントなのか? って疑問はありますが(笑)」(三村)
「だから『コントか?』って言われたらコントじゃないかもしれないです(笑)。ただのおじさんふたりの立ち話だろう、と」(大竹)
「ものすごく立派なセットを前にした立ち話です(笑)」(三村)

だがファンがなにより待っているのが、そんなふたりの立ち話だったりもするわけで……。
「コントのなかでさんざん立ち話をしたので、ライブ自体はそのまま終わろうとしたんです」(大竹)
「でもお客さんが帰らせてくれない。要は僕らの素のしゃべりもほしいってことみたいで」(三村)
「MCなしの安室(奈美恵)ちゃんのライブスタイルは僕らには許されなかったです(笑)」(大竹)
ネタ作りにしろ、セットの発注にしろ、まず考えなければいけないのは、ふたりがどんなシチュエーションにいるか、ということ。
「基本はリアルな設定を考えますよね。例えば小学生とか、恋愛ものとかはまったくできなくて。お客さんに『違和感あるなぁ』って思われちゃいますから。そうなるとおじさんかおばさんか、おじいさんか、おばあさんか(笑)。あとパソコンに詳しいとか、そういう役も難しいですよね」(大竹)
「あくまで役だから、やってもいいはずなんですよ。でもお客さんに見透かされちゃう。『いやいや、三村さんそんなこと知らないでしょう?』って(笑)」(三村)
「そうなると結局、警備員とかになっちゃうんですよね」(大竹)
設定に関してはさまぁ〜ずらしさを重視するふたりだが、実は意外な恒例がある。歌とダンスだ。
「(会場が)東京芸術劇場ですから! 芸術として(笑)、歌とダンスとコントは入れるようにしています。しかも三村のダンスの動きが初日からどんどんうまくなっていくんですよ」(大竹)
「まぁやっている本人はフラフラですけどね(笑)」(三村)
「基本、三村ができない動きにはしていないんです。で、完璧に見せられるよう努力するんですけど、結果できない(笑)。だから笑っちゃうんですよね」(大竹)

そしてこちらもライブに欠かせない存在が、つぶやきシロー。
「つぶやきは長いですよ。バカルディ時代からだから、もう20何回は出ているかも」(三村)
「まだ何もネタが決まっていなくても、つぶやきのスケジュールだけは押さえますから」(大竹)
「結構、あいつがムードメーカーになってくれるんですよね。人をイライラさせるっていうことも含めて(笑)。あと芝居がうまいので、あいつがいると意外と締まる。「さまぁ〜ずライブ」の助演男優賞です」(三村)
「まぁ毎回、同じ役ですけどね。だいたいバーのマスター。マスター歴が長いので、だから自然でうまいんですよ(笑)」(大竹)
チケットは毎回即完売。だがライブを振り返って思うのは、「あそこウケた」ではなく、「あそこウケなかった」ばかりらしい。
「ライブが終わってしばらくするともう反省しかないんですよ。なんで100点じゃないんだろうって。まぁ100点なんて永遠に出るわけがないし、だからこそ続けているんですけど」(三村)
「お客さんに合わせて笑わせにいったら、それはそれでたぶんおもしろくないですからね。とにかく自分たちがおもしろいと思うものをやるしかないかなと」(大竹)
「まぁどんな人でも、例えば今回初めて「さまぁ〜ずライブ」を見るよって人でも、恐らく6個ぐらいはおもしろいと思うところがあると思うんですよ(笑)」(三村)
「6個あれば十分でしょ。あ、別におじいさんのネタばっかりやらないですからね(笑)。さっきのは例えば、ですから」(大竹)
「若い方も大歓迎です」(三村)
PROFILE
- さまぁ〜ず
- 大竹一樹、三村マサカズによるお笑いコンビ。'88年、バカルディとして活動を開始し、'00年にコンビ名をさまぁ〜ずに改名。レギュラー番組などで見せる飾らないスタイルで、老若男女を問わず幅広い層から人気を獲得している。本年6月11日より、東京芸術劇場 プレイハウスにて単独コントライブ「さまぁ〜ずライブ15」を開催する。
[出演舞台]
「さまぁ〜ずライブ15」
