緑黄色社会
2026.03.17
- CATCH EYE
"前例のないことにトライしていく"ことが
大きなテーマになっています。
text:永堀アツオ photo:市村円香
editor:武内和子(ぴあ)/幡野美和子(ぴあ)
hair & make:carrie stylist:満園正明(UM)

現在公開中の劇場アニメ「パリに咲くエトワール」の主題歌「風に乗る」と挿入歌「étoile」を書き下ろした緑黄色社会。「パリに咲くエトワール」は「ONE PIECE FILM RED」の谷口悟朗監督とスタジオジブリでキャラクターデザインを務めた近藤勝也が、初めてタッグを組んだオリジナル作品だ。これまで多くのアニメ作品の主題歌を担当してきたが、完全オリジナルの劇場アニメは今回が初めて。
「主題歌だけではなく同時に挿入歌のお話もいただいていたのでバンドとして、より作品に寄り添うことができるなと感じていて。しかも作品の題材がバレエで、途中にピアノのシーンもあるので自分たちと通ずる部分が多いことも嬉しく思っていましたね」(長屋)
物語は1912年のパリが舞台。画家を夢見るフジコと、薙刀の名手でありながらバレエへの憧れを秘める千鶴が異国の地でお互いに支え合いながら夢を追いかける姿が描かれている。
「僕は実家がバレエ教室で母親が先生をやっていたので、2、3歳の頃からクラシックバレエをしっかりと習っていて。うちのスタジオに壱誓がレッスンを受けに来たりもしましたね」(穴見)
「うちも実家がダンススタジオなんですけど基本はジャズダンスをやっていたのでバレエは基礎として習っていて。別のバレエスタジオにジャズダンサーとしてゲストに呼ばれてストラヴィンスキーの曲で踊ったこともあったし、劇中で使われている「ジゼル」はふたりとも踊ったことがあって。懐かしい気持ちになりました」(小林)

主題歌「風に乗る」は長屋が作詞、穴見が作曲を手掛けている。
「最初にあの時代にあった楽器で構成してほしいということと、飛び出していくような勢いのある楽曲がいいというお題をいただいて。原作のない完全なオリジナルアニメで、さらにバンド楽器を使わないというのは僕たちにとってチャレンジだったので、悩む時間は多かったです。でもみんなで『いつか劇伴もやれたらいいよね』という話もしていたので、これはいい機会だなと思って。クラシカルな生楽器をメインにミュージカルの要素を入れつつ、ポップスの明るさも加えて。そのバランスを見ながら作っていきました」(穴見)
「これまでも“新しい挑戦”というテーマで書いたことはあったんですけど、今作は“前例のないことにトライしていく”ことが大きなテーマになっています。女性が社会に進出することが難しかった時代に女性が新しいことを始める。そこには、家族とかの反発もある。反発する側にも理由があるし、ずっと大事にしてきた歴史や文化も理解して抱きしめたうえで、ちゃんと前に進んでいくような歌詞にしたいと思ったんです」(長屋)
「私も作曲にトライしていたんですけど、穴見の曲を聴いたときに、全員一致でこれだよねってなって。私たちが目指していた楽曲にマッチする強い曲を持ってきてくれたし、私もこの曲が大好きになって。レコーディングでは私だけオーケストラの方とご一緒したんですけど、壮大さに感動しながらも、自然とオーケストラの演奏に応えるような弾き方になっていった。緊張しましたけど、相乗効果があったし、一緒に弾いて良かったなと心から思いました」(peppe)
挿入歌「étoile」は作詞が長屋、作曲がpeppeのコンビ。
「主人公がちょっと困難に陥るシーンで、ルスランという男の子がピアノを弾いてくれるんです。そのアンサーソングとして作ってください、というオーダーがあって。そのシーンでルスランが弾く曲が、服部先生が作ったオリジナルのピアノ曲。もう、嫉妬してしまうほどいい曲だったんですけど、私はまずパリの雰囲気に没頭しようと思って、自分がパリに行ったときの写真や本、オブジェをピアノのまわりに置いて。印象派の画家たちが絵を描くように音楽を作ろうと思って。さらにバトンを受け継ぐ形にしたかったので、ピアノ曲の最後の音から一音目を始めた曲になっています」(peppe)

劇場で流れる楽曲はクラシカルな楽器のみでの構成だが、シングルにはバンドアンサンブルを加えた音源が収録されているのでその違いも味わってほしい。そして4人は、4月に東阪で対バン・イベント「緑黄色夜祭vol.13」を行い、その拡大版となる「緑黄色大夜祭2026」の開催も控えている。
「ツーマンの夜祭はお互いの持ち時間もしっかりあるので、それぞれの特徴や世界観がより色濃く出ると思います。大阪の鈴木愛理ちゃんとは個人的に仲良くしているので友達と同じステージに立てるのがすごく嬉しいですね」(長屋)
「東京のjo0jiさんは僕が何度かライブを見に行かせてもらっていた縁でお誘いしたんです。大夜祭のほうは、なかなかほかでは見られないような組み合わせになっていて、芸人さんにも来ていただきますし、ステージ以外の場所も充実させているので、お祭り感をより楽しんでいただけると思います。この祭りでしか演奏しない「夜祭音頭」も披露しますし、みんなでお祭り騒ぎがしたいですね」(小林)
PROFILE
- りょくおうしょくしゃかい
- 長屋晴子(vo&g)、小林壱誓(g)、peppe(key)、穴見真吾(b)。'12年、結成。メンバー全員が作曲に携わることで生まれる豊富な楽曲バリエーションとポップセンスで支持を集める。本年3月18日、シングル「風に乗る」をリリース。4月に対バン・イベント「緑黄色夜祭 vol.13」と「緑黄色大夜祭2026」を開催する。
SINGLE「風に乗る」
発売中
2800円(税込) ESCL-6205/6[BD付初回生産限定盤]
1200円(税込) ESCL-6207[通常盤]
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