NEW
BLUE ENCOUNT
2026.10.01
- CATCH EYE
今現在の、等身大の自分たちと向き合うことが
今年のテーマでもあった―――
text:吉羽さおり photo:市村円香
editor:武内和子(ぴあ)/幡野美和子(ぴあ)

昨年の5thアルバムでは"聴いてくれるあなたが5人目のBLUE ENCOUNT"だとして五重奏の絆、『Alliance of Quintetto』と名づけたBLUE ENCOUNT。メジャー・デビュー10周年/結成20周年の節目を経て、自分たちの音楽の指針を再定義したアルバムは、聴いてくれるあなたとともに走ってきた、その時間の濃さを高いボルテージで紡いだロック・アルバムとなった。約2年半、アメリカと日本との2拠点で生活をしてきた辻村勇太(b)が帰国し、再び4人体制で充実したツアーを行ってきたが、そんななかで出てきたのが9月にCDリリースとなったニュー・シングル「未完成」だ。
「今現在の、等身大の自分たちと向き合うことが今年のテーマでもあった」と田邊は語る。
「その口火を切ったのが、今年の始めにリリースした新曲「幻日」(今作のカップリング曲)。この曲は、「ボートレース2026」の上半期TVCMに書き下ろした曲で、今の自分たちからあたたかいエールを送りたいと思って作った曲です。「幻日」では、自分の経験値から得たこと、人生の余白の部分をも言葉にできたので、書いていて"今、自分はこんなふうに思っているんだ"って、頭のなかも整理できた気がするんです。そこから「未完成」の制作に入れたのは大きかったですね」(田邊)
TVアニメ「片田舎のおっさん、剣聖になるⅡ」のエンディング主題歌「未完成」。自分の存在価値や、心の奥底で叫ぶ無垢な思いを今一度問いただす曲は、ブルエン節全開のパワフルさが鮮やかにアップデートされている。今作でバンドとともにアレンジを担ったのは、「幻日」で初のタッグを組んだTHE CHARM PARK。

「新たな息吹を生じさせたいと思って。じゃあ誰とやるかって考えたときに「幻日」で組んだCHARMくんだよねっていう話になったし、"ザ・ブルエン"という曲の「未完成」が、彼のフィルターを通したらどうなるのかなと思って。彼がディレクションをするとすごく変わったように聴こえるんだけど、CHARMくんは僕らのコード感やタイム感を大事にしていて『実はここは変えていないんですよ』って言いながらおもしろい装飾を施してくれているんです。毎回、彼の音楽偏差値の高さに度肝を抜かれますし、今回も楽しく制作をすることができました」(田邊)
「レコーディング中もいろいろ教わっていましたね。僕自身は音楽の理論も好きだから、楽しかったです。ベースに関しては、これまでの"ベースと歌だけでも完結できるように"という考えは変わらずで、そこにプラスしてCHARMさんがリハモナイズ──メロディはそのままに、コードやコード進行をより細分化してくれたことで、ベースラインの正解も広がったし、自分が提示したいことができたのが良かったですね」(辻村)
晴れやかなフレーズを畳み掛けてくるようなギター・サウンドや、歯切れ良く、かつ奥行きのあるビートも、新たなアンセムとしてのボルテージを上げている。

「この「未完成」では特に苦労することはなかったんですけど、ギター・ソロで3パターンくらい作ってCHARMくんに渡したら、その全パターンを使ってソロを再構築してくれたのが、おもしろかったです。その手があったか! と(笑)。音作りに関してはこちらに任せてくれたので、レコーディングではブルエンらしい音になるように時間をかけました」(江口)
「「未完成」は、田邊が『デモの時点のドラムの音がいい』と言っていたので、寸分違わずあの音にしたいと思っていて。とは言えデモは打ち込んだデジタルなものだからアナログで再現するのが難しかったし、試したことがない音色だったので、エンジニアさんとテックさんに相談しながら作り上げました。演奏自体は今までのブルエンっぽい感じなんですけど、音色がとにかく大事で。結果、いい音になりましたね」(高村)
10月12日からは、メジャー初期の3枚のアルバム、『≒』、『THE END』、『VECTOR』を完全再現する全国ホール・ツアー「BLUE ENCOUNT HALL TOUR 2026 still B.E. coming」が開催される。
「この3作は当時ライブハウスで鳴らしていたアルバム。これがホールでどうなるか。新たな出会いが楽しみなツアーかな」(辻村)
「昔プレイしていたときと今とでは、だいぶ感覚が違うので。今の感覚に落とし込みながら、細かく練り込んでいきたいですね。その作業が今、バンドとしてもすごく楽しいので」(高村)
「再現とはいえ、懐古的なものになってしまったらやる意味がないので。まさに今のブルエンだからこそできる更新の仕方が、できたらいいなと思っています」(江口)
「前回のホール・ツアーは辻村の渡米が決まっていたうえでのツアーだったのでお客さんからしたら複雑な心境があったと思うんですが、今回は楽しいことしかないので。そんななかで今年のテーマである自分たちと向き合う、当時のアルバムと向き合うことで何が生まれるのか楽しみですね」(田邊)
PROFILE
- ぶるー・えんかうんと
- 田邊駿一(vo&g)、江口雄也(g)、辻村勇太(b)、高村佳秀(ds)。'14年、メジャー・デビュー。メッセージ性の高い歌詞と熱いバンドサウンドで若い世代を中心に幅広く支持を集めている。本年、新曲「未完成」を7月に配信で、9月9日にCDでリリース。10月より'15年~'18年に発表されたアルバムを完全再現するツアーを開催する。
SINGLE「未完成」
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