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緑黄色社会

2026.10.01

  • CATCH EYE

INTERVIEW

このタイトルが作品の舵を取ってくれた

text:吉羽さおり photo:アライテツヤ 
editor:武内和子(ぴあ)/幡野美和子(ぴあ)/中村紀子(ぴあ)
hair & make:奥平正芳/本郷友紀子 
stylist:市野沢祐大(TEN10)

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9月9日に通算6枚目のアルバム『あたまご』をリリースした緑黄色社会。
「緑黄色社会は4人全員が曲を作っているけど、自分の曲だけじゃなく、
ほかのメンバーが作った曲も等しく愛おしい。
それって自分たちの子供みたいだなと
思ったんです。
そこから"たまご"という言葉が出てきて、その"たまご"って
どこから生まれてくるのかと考えたときに、産みの苦しみなんて言いますけど、
自分たちの頭で"うーん"と捻って考えたものだなと思って、
頭とたまごで"あたまご"なんです」(長屋)
柔らかで不思議な響きを持つこの言葉は、特定のジャンルや既存の言葉に
当てはめることが難しい、彼女たちの音楽を表現しているオンリーワンの言葉だ。
そんなアルバムを携え、4人は現在自身最大規模のアリーナ・ツアーを開催中!
「今まで以上に世界観を感じてもらえる内容にしたい。
初めて来た人でも
楽しめるものにしたいと思っているので、気楽に遊びに来てもらえたら」(長屋)


 緑黄色社会の6枚目のアルバムのタイトルは『あたまご』と言う。ひらがなによる丸みを帯びた柔らかで不思議なこの言葉は、長屋晴子から出てきた造語。今作は、この『あたまご』というタイトルが決まってから、制作が本格化した。
「普段は、ある程度曲が出揃ったところでタイトルを決めるんですけど。今回は制作の期間がタイトになっていったこともあって、まず先にアルバム・タイトルの締め切りが来たんです。このあとにアルバムを引っさげたツアーをするつもりでもいたから──」(小林)
「タイトルを早く決めないとツアーのグッズ製作が間に合わないぞってなって」(穴見)
「という諸事情も(笑)」(peppe)
「結果論ですけど、このタイトルが作品の舵を取ってくれたというか。概念的な言葉にしたので、どんな曲を書いてもいいんだっていう安心感はありましたね」(長屋)
 4人で居酒屋で飲みながら決めたというこのアルバム・タイトル。「前作『Channel U』が、届ける人を意識した作品だったので、今回はもっと内に秘めたものでもいいんじゃないかと思って。まずは緑黄色社会の音楽について考えてみようということになった」と長屋は振り返る。
「タイアップなどで曲を作る機会が増えたんですけど、どの曲に対しても愛おしい感覚が芽生えていて。緑黄色社会は4人全員が曲を作っているけど、自分の曲だけじゃなく、ほかのメンバーが作った曲も等しく愛おしい。それって自分たちの子供みたいだなと思ったんです。そこから"たまご"という言葉が出てきて。その"たまご"ってどこから生まれてくるのかと考えたときに、産みの苦しみなんて言いますけど、自分たちの頭で"うーん"と捻って考えたものだなと思って、頭とたまごで"あたまご"なんです」(長屋)
「オンリーワンの言葉だから、すでに愛着も湧いています」(穴見)

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 長屋が概念的と言うように、特定のジャンルや既存の言葉に当てはめることが難しい、彼女たちの音楽を表現した言葉、"あたまご"。今作でも4人それぞれが作曲した曲や、アンセム曲「Mela!」「キャラクター」と同様のタッグである、作曲が穴見&peppe、作詞が長屋&小林による4人全員で制作した曲もある。名曲誕生の期待値が上がり続ける4人での曲でも臆せずに発想を広げ、新たなリョクシャカ節を作り上げているのが頼もしい。今回はこのタッグで2曲作っているが、うち1曲がディスコ・クラシックを思わせる「TABOO」。
「この曲の直前に、「アルゴリズム」を作っていて。それがスタジオでセッションしながら苦労してできたので、ちょっとお疲れ様って言ってあげられる曲を作ろうと、最初はチルいけどノレる感じで作っていたんです。結果、僕がアレンジやメロディをムキムキにしていった感じでしたね」(穴見)
「演ってる側はそれぞれハイカロリーで難しいんですけど、そのぶん楽しい曲になったんじゃないかな。自然と体が揺れちゃう曲だし、曲調やメロディのリフレインもあるので、口ずさみたくなるというか。そうあってほしい!」(長屋)
 歌詞は「Mela!」同様、小林が書いたプロットをもとに長屋が歌詞に起こしブラッシュアップした。
「壱誓のプロットが「Mela!」のときよりもレベルアップしていて。普通にもう小説でした」(長屋)
「1回、やりたいことを全部放出しよう、みたいな(笑)」(小林)
「歌詞に切り取られたのはプロットのほんの一部なんです。あのメロディを聴いて、自分とは全然違う角度からの物語が届いて、すごくおもしろいなと思った」(長屋)
 そしてもう1曲は、コーラスの高揚感と灼熱のビートがライブへ誘う「レジスダンス」。
「peppeの色が出ているよね。最初は「Night Night Night」っていう仮タイトルで夜の遊園地、妖しい遊園地って感じだったのを(編曲の)横山裕章さんがネオファンクみたいなアレンジにしてくれて、うまくはまった」(穴見)
「曲の方向性も言葉でうまく説明できないから、こんな雰囲気の曲でって、いろんな画像を持ってきて見せあいながら作っていて。でも大変さはないんです。いつも楽しんで作ろうみたいな感じで。楽しくてしょうがないよねっていう感じなんです」(peppe)

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 "リョクシャカの校歌を"と生まれたのが、「うたまご」。〈僕らなんでもできる気がした〉と歌う、無敵の青春が封じ込められた。
「私と壱誓とpeppeは同じ学校で出会って、学生時代から一緒にいて。バンドだけじゃないシーンをともにしている思い出もあるので。この曲は、4人で歌いたくて作ったんです」(長屋)
「反対したんですけどね。長屋だけの歌で聴かせたほうが、長くいい曲になると思うよって。でもこれは長屋が譲らなかった。『いや、校歌だから』って」(小林)
 因みに歌詞に登場する〈帰り道よく食べた ペペロンチーノ〉は駄菓子のこと。「My Answer」や「章」などのドラマ主題歌や多くのタイアップ曲で国民的バンドへとスケールアップしている緑黄色社会だが、駄菓子を食べながらワイワイ語っていた当時の面影は今なおそこかしこに見える。4人で喋り出すと止まらない取材時の様子もそのひとつだが、この空気感がリョクシャカの曲をキャッチーにしている要素かもしれない。
 1曲目の「誰かの国」も、そんなバンドの始まりであるギター・ロックを作ろうというところからスタートしたそうだ。
「作りながら結成当初の自分たちを思い返しましたね。苦戦しながらも"バンド"をやっていたなって。苦い思い出も含めた懐かしさも振り返りながら、あのときの自分たちに聴いてほしい曲になった。ライブではみんなに壱誓のギターを聴いてもらいたい」(peppe)
「すごい気に入っているんですけど、ループ系のフレーズなので弾いているとゲシュタルト崩壊してくるんですよね」(小林)
 各自の色が出た多彩な曲が並ぶ
アルバムは、馬力ある"ザ・バンドサウンド"で駆け上がっていく「晴々」で終える。加速を続けるバンドの今を象徴する曲とともに、緑黄色社会は自身最大規模のアリーナ・ツアーを開催中だ。
「アルバムでのアリーナ・ツアーということで、今まで以上に世界観を感じてもらえる内容にしたい。とは言え、初めて来た人でも楽しめる、なんなら曲を知らなくても楽しめるくらいのものにしたいと思っているので、気楽に遊びに来てもらえたら」(長屋)

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PROFILE

りょくおうしょくしゃかい
長屋晴子(vo&g)、小林壱誓(g)、peppe(key)、穴見真吾(b)。'12年、結成。メンバー全員が作曲に携わることで生まれる豊富な楽曲バリエーションとポップセンスで多くの支持を集める。本年9月9日、約1年7ヵ月ぶりとなるアルバム『あたまご』をリリース。現在、12月6日まで続く自身最大規模の全国アリーナ・ツアーを開催中。
アルバム

ALBUM『あたまご』
発売中
7000円(税込) ESCL-6291/2[BD付初回生産限定盤A]
7000円(税込) ESCL-6293/4[DVD付初回生産限定盤B]
3500円(税込) ESCL-6295[通常盤]
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